この記事は、小学校音楽科の「鑑賞共通教材」だった曲のまとめです。
※鑑賞共通共通教材は、昭和33年、昭和43年、昭和52年、平成元年告示の小学校学習指導要領(音楽)に示していたもので、平成10年告示の小学校学習指導要領(音楽)からは示していません。
現在は、各学年それぞれ以下のような判断基準で鑑賞教材を選ぶようです。
第1、2学年
ア 我が国及び諸外国のわらべうたや遊びうた,行進曲や踊りの音楽など身体反応の快さを感じ取りやすい音楽,日常の生活に関連して情景を思い浮かべやすい楽曲
イ 音楽を形づくっている要素の働きを感じ取りやすく,親しみやすい楽曲
ウ 楽器の音色や人の声の特徴を感じ取りやすく親しみやすい,いろいろな演奏形態による楽曲
小学校学習指導要領 第2章 各教科 第6節 音楽
第3、4学年
ア 和楽器の音楽を含めた我が国の音楽,郷土の音楽,諸外国に伝わる民謡など生活とのかかわりを感じ取りやすい音楽,劇の音楽,人々に長く親しまれている音楽など,いろいろな種類の楽曲
イ 音楽を形づくっている要素の働きを感じ取りやすく,聴く楽しさを得やすい楽曲
ウ 楽器や人の声による演奏表現の違いを感じ取りやすい,独奏,重奏,独唱,重唱を含めたいろいろな演奏形態による楽曲
小学校学習指導要領 第2章 各教科 第6節 音楽
第5、6学年
ア 和楽器の音楽を含めた我が国の音楽や諸外国の音楽など文化とのかかわりを感じ取りやすい音楽,人々に長く親しまれている音楽など,いろいろな種類の楽曲
イ 音楽を形づくっている要素の働きを感じ取りやすく,聴く喜びを深めやすい楽曲
ウ 楽器の音や人の声が重なり合う響きを味わうことができる,合奏,合唱を含めたいろいろな演奏形態による楽曲
小学校学習指導要領 第2章 各教科 第6節 音楽
小学校音楽科の「歌唱共通教材」のまとめはこちら↓
中学校音楽科の「共通教材」だった曲のまとめはこちら↓
はじめに
この記事は、小学校学習指導要領 第2章 各教科 第6節 音楽および【音楽編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 pp.170-172 を参照しました。
・記事の後半に曲の一覧表があります。ご活用ください。
・Spotifyのプレイリストを作成しました。こちらもご活用ください。
鑑賞共通教材
第1学年
①American Patrol (アメリカン・パトロール)
作曲:F・W・ミーチャム
『アメリカン・パトロール』作品92(American Patrol Op.92)は、フランク・W・ミーチャムが1885年に作曲した行進曲である。
『アメリカ巡邏兵』とも呼ばれる。
Wikipediaより引用
※巡邏…じゅんら
②The Waltzing Cat (おどる子ねこ)
作曲:ルロイ・アンダーソン
③「Parade der Zinnsoldaten Op.123」(おもちゃの兵隊)
作曲:レオン・イェッセル
『おもちゃの兵隊の観兵式』作品123、『おもちゃの兵隊の行進曲』とも。
④Gavotte(ガボット)
「ガヴォット」の名は、踊りの発祥したドーフィネ旧地域圏のペイ・ド・ギャップ(Pays de Gap)地方ガヴォ(Gavot)に由来する。
ガヴォットは、中庸のテンポの舞曲で、4分の4拍子ないしは2分の2拍子で記譜される。
ガヴォット特有のリズムの特色は、小節の半ばかアウフタクトに始まることである。
Wikipediaより引用
⑤Die Scmied im Walde(森のかじや)
作曲:テオドール・ミヒャエリス
第2学年
①Dancing Doll(おどる人形)
②Feuerfest(かじやのポルカ)
作曲:ヨーゼフ・シュトラウス
『鍛冶屋のポルカ』作品269は、ヨーゼフ・シュトラウスが作曲したポルカ・フランセーズ(フランス風ポルカ)。
単に『鍛冶屋』とも。金床を楽器として用いることで知られる。
Wikipediaより引用
③The Cuckoo Waltz(かっこうのワルツ)
④Winter Bonfire (出発(組曲「冬のかがり火」から))
作曲:セルゲイ・プロコフィエフ
サムイル・マルシャークの詩に基づいており、子供たちの冬休みの郊外での遊びを描写した作品である。音楽も一貫して単純明快であり、ロシアの民族性が随所に盛り込まれているのが特徴である。
Wikipediaより引用
⑤Turkish March(トルコ行進曲)
トルコ行進曲は、西欧の作曲家が、西欧人がトルコと呼んだオスマン帝国の軍楽隊の音楽(メフテル、またはトルコ音楽を参照のこと)に刺激を受けて作曲した行進曲である。
Wikipediaより引用
ちなみに、モーツァルトのトルコ行進曲も有名。
⑥Humoresque No. 7, Op. 101(ユーモレスク)
クライスラーによるヴァイオリン用の編曲も有名。
第3学年
①Toy Symphony(おもちゃのシンフォニー)
作曲:ハイドン(実際はエトムント・アンゲラーだという説が濃厚)
『おもちゃの交響曲』は、オーストリア、チロル地方出身の作曲家でベネディクト会の神父エトムント・アンゲラーが1770年ころに作曲した3楽章からなる小交響曲。『こどもの交響曲』(独: Kindersinphonie)とも呼ばれる。
この交響曲が最初に出版された時、作曲者としてハイドン、またタイトルとして『こどもの交響曲』が出版社の判断で付けられた。
『おもちゃの交響曲』は英語圏でのタイトル「Toy Symphony」に由来する。
Wikipediaより引用
②La Cinquantaine(金婚式)
作曲:ガブリエル=マリ(Gabriel-Marie)ことジャン・ガブリエル・プロスペル・マリ
③Gold und Silber(金と銀)
作曲:フランツ・レハール
『金と銀』作品79は、フランツ・レハールが1902年に作曲したウィンナ・ワルツ。
④Light Cavalry. Operetta (Die leichte Kavallerie)-Overture(歌劇「軽騎兵」序曲)
作曲:フランツ・フォン・スッペ
⑤L’Arlésienne(メヌエット(組曲「アルルの女」より))
作曲:ジョルジュ・ビゼー
⑥Suite No.2 in B minor, BWV 1067: Polonaise ポロネーズ(管弦楽組曲第2番から)
作曲:J.S.バッハ
第4学年
①Gavotte(ガボット)
ラモーは、「根音」や「転回形」といった概念を用いて、機能和声法と調性を体系的に理論化した最初の音楽理論家としても有名。
②Three Marches Militaires(軍隊行進曲)
作曲:フランツ・シューベルト
③Les Patineurs(スケーターズワルツ)
作曲:ワルトトイフェル
④Norwegian Dance No. 2(ノルウェー舞曲 第2番 イ長調)
作曲:エドヴァルド・グリーグ
⑤The Carnival of the Animals XIII “Le cygne” (The Swan)(『動物の謝肉祭』より第13曲「白鳥」)
作曲:サン・サーンス
⑥Mozart Horn Concerto No.1(ホルン協奏曲 第1番 ニ長調 第1楽章)
作曲:モーツァルト
第5学年
①William Tell Overture (歌劇「ウィリアム・テル」序曲)
作曲:ジョアキーノ・ロッシーニ
②管弦楽のための木挽歌
作曲:小山清茂
『管弦楽のための木挽歌』(かんげんがくのためのこびきうた)は、日本の作曲家小山清茂によって作曲された管弦楽曲。1957年に作曲、同年東京にて渡邉曉雄の指揮する日本フィルハーモニー交響楽団により初演。作曲者の代表曲の1つ。演奏時間は約11分。
主題と3つの変奏の計4つの部分から構成される一種の変奏曲の形をとりながら、1つの民謡が少しずつ変化しながら生まれ育っていく様子が描かれている。
Wikipediaより引用
1970年には吹奏楽編曲版『吹奏楽のための木挽歌』も作られた。
③The Nutcracker(組曲「くるみ割り人形」)
④荒城の月
哀調をおびたメロディと歌詞が特徴。
七五調の歌詞(今様形式)と西洋音楽のメロディが融合した楽曲。
特に、日本で作曲された初めての西洋音楽の曲とされ、日本の歴史的に重要な曲。
Wikipediaより引用
⑤箱根八里
⑥花
⑦Tannhäuser und der Sängerkrieg auf Wartburg(タンホイザー行進曲(合唱の部分を含む))
作曲:リヒャルト・ワーグナー
一般的には『タンホイザー』(Tannhäuser)の題名で知られている。
序曲、第2幕のエリザベートのアリア、「大行進曲」、第3幕のヴォルフラムのアリア「夕星の歌」は、独立してよく演奏される。
Wikipediaより引用
⑧Trout Quintet Ⅳ.Andantino – Allegretto (D major) (ピアノ五重奏曲「ます」第4楽章)
作曲:フランツ・シューベルト
第6学年
①赤とんぼ
②この道
③待ちぼうけ
④Sinfonie Nr. 9 d-moll op. 125(第9交響曲から合唱の部分)
※合唱の部分は、動画の57:42あたりから。
年末によく流れている曲ですね。
参考→ 年末になると、なぜ「第九」?|第九コンサート特集|チケットぴあ
⑤The Comedians, Op. 26(組曲「道化師」)
作曲:カバレフスキー
⑥春の海
作曲:宮城道雄
正月のテレビ番組のBGMなどでよく使われていますね。
⑦組曲「ペール・ギュント」
作曲:エドヴァルド・グリーグ
⑤Zigeunerleben(流浪の民)
作曲:ロベルト・シューマン
⑤六段
作曲:八橋検校
鑑賞共通教材の一覧
配当学年 | タイトル | 作曲者 | 出身国・活躍国 | 作曲年や発表年など |
---|---|---|---|---|
1 | アメリカン・パトロール | F・W・ミーチャム | アメリカ合衆国 | 1885 |
1 | おどる子ねこ | ルロイ・アンダーソン | アメリカ合衆国 | 1950 |
1 | おもちゃの兵隊 | レオン・イェッセル | ドイツ | 1905 |
1 | ガボット | フランソワ=ジョセフ・ゴセック | ベルギー(フランス) | 1724 |
1 | 森のかじや | テオドール・ミヒャエリス | ドイツ | 1831-1887 |
2 | おどる人形 | エデ・ポルディーニ | ハンガリー | 1869-1957 |
2 | かじやのポルカ | ヨーゼフ・シュトラウス | オーストリア | 1869 |
2 | かっこうのワルツ | ヨハン・エマヌエル・ヨナーソン | スウェーデン | 1913 |
2 | 出発(組曲「冬のかがり火」から) | プロコフェイエフ | ロシア帝国 | 1950 |
2 | トルコ行進曲 | ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン | オーストリア帝国(ドイツ) | 1812 |
2 | メヌエット(歌劇「アルチーナ」から) | ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル | ドイツ | 1735 |
2 | ユーモレスク | アントニン・ドヴォルザーク | チェコ | 1894 |
3 | おもちゃのシンフォニー | エトムント・アンゲラー(ハイドン) | オーストリア | 1770年ころ |
3 | 金婚式 | ガブリエル=マリ | フランス | 1887 |
3 | 金と銀 | フランツ・レハール | オーストリア=ハンガリー帝国 | 1902 |
3 | 歌劇「軽騎兵」序曲 | フランツ・フォン・スッペ | オーストリア帝国 | 1866 |
3 | メヌエット(組曲「アルルの女」より) | ジョルジュ・ビゼー | フランス | 1872 |
3 | メヌエット ト長調 | ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン | オーストリア帝国(ドイツ) | 1795 |
3 | ポロネーズ(管弦楽組曲第2番から) | J.S.バッハ | ドイツ | 1685 – 1750 |
4 | ガボット | ジャン=フィリップ・ラモー | フランス | 1683 – 1764 |
4 | 軍隊行進曲 | フランツ・シューベルト | 神聖ローマ帝国(オーストリア) | 1818 |
4 | スケーターズワルツ | エミール・ワルトトイフェル | フランス | 1882 |
4 | ノルウェー舞曲 第2番 イ長調 | エドヴァルド・グリーグ | ノルウェー | 1887 |
4 | 白鳥 | シャルル・カミーユ・サン=サーンス | フランス | 1922 |
4 | ホルン協奏曲 第1番 ニ長調 第1楽章 | アマデウス・モーツァルト | 神聖ローマ帝国(オーストリア) | 1791 |
5 | 歌劇「ウィリアム・テル」序曲 | ジョアキーノ・ロッシーニ | イタリア | 1829 |
5 | 管弦楽のための木挽歌 | 小山清茂 | 日本 | 1957 |
5 | 組曲「くるみ割り人形」 | ピョートル・チャイコフスキー | ロシア帝国 | 1892 |
5 | 荒城の月 | 滝廉太郎 | 日本 | 1901 |
5 | 箱根八里 | 滝廉太郎 | 日本 | 1901 |
5 | 花 | 滝廉太郎 | 日本 | 1900 |
5 | タンホイザー行進曲(合唱の部分を含む) | リヒャルト・ワーグナー | ザクセン王国(ドイツ) | 1845 |
5 | ピアノ五重奏曲「ます」第4楽章 | フランツ・シューベルト | 神聖ローマ帝国(オーストリア) | 1819 |
6 | 赤とんぼ | 山田耕筰 | 日本 | 1927 |
6 | この道 | 山田耕筰 | 日本 | 1926 |
6 | 待ちぼうけ | 山田耕筰 | 日本 | 1924 |
6 | 第9交響曲から合唱の部分 | ベートーベン | オーストリア帝国 | 1824 |
6 | 組曲「道化師」 | ドミトリー・カバレフスキー | ロシア帝国 | 1939 |
6 | 春の海 | 宮城道雄 | 日本 | 1929 |
6 | 組曲「ペール・ギュント」 | エドヴァルド・グリーグ | ノルウェー | 1875 |
6 | 流浪の民 | シューマン | ザクセン王国(ドイツ) | 1840 |
6 | 六段 | 八橋検校 | 日本 | 1600年代中盤 |