和風曲の作り方・音楽に和風感を出す方法【DTM/作曲tips】

音楽理論・DTM関連
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僕がJapanese Djentシリーズを作る中で培ってきた和風曲の作り方や音楽に和風感を出す方法をシェアしたいと思います。

結論から言うと

  • ①スケール(音階)
  • ②コード(和音)
  • ハモリ
  • ④音色

この4種類のポイントに注目して考えると良いと思います。

是非参考にしてみてください。

では、いってみよう!(๑˃̵ᴗ˂̵)و

①スケール

まずは、スケール(音階)選びです。

和風感を出すには、”ペンタトニック・スケール“と”陰音階“が主な選択肢になると思います。

実際にJapanese Djentシリーズでは、曲中この2つのスケールを切り替えて展開に幅を持たせています。

↓こちらのページでは簡単に各スケールの構成音を確認できます。(自分で言うのもなんですけど、めちゃくちゃ便利です。)

スケール(70種類以上)の構成音を調べる O-TO【音楽理論ウェブアプリ】
70種類以上のスケールの構成音や情報を、全てのキーで調べられるアプリです。指定したスケールの構成音を含む主なコードも表示されます。

ペンタトニックスケール

より正確に言えばメジャー・ペンタトニック・スケール

メジャースケールの4番目(ファ)7番目(シ)を抜いた形になるので、ヨナ抜き長音階とも呼ばれます。

和風曲に限らず、あらゆるジャンルの音楽でよく使われる最もポピュラーな5音階です。

したがって、フレーズの作り方によっては和風感があまり出ない場合があるので、各自研究してみてください。

陰音階

陰音階(都節音階とも)には、上行形下行形があります。

英語版のWikipediaを見ると、それぞれ陰音階の上行形を「Insen Scale」、陰音階の下行形を「In Scale」や「Sakura pentatonic scale」などと呼称しているようです。

」が主音の場合、上行形は「ミ-ファ-ラ-シ--ミ」、下行形は「ミ-ファ-ラ-シ--ミ」。

」が主音の場合、上行形は「ド-レ♭-ファ-ソ-シ♭-ド」、下行形は「ド-レ♭-ファ-ソ-ラ♭-ド」になります。

 

ただ、メロディック・マイナー・スケール※ほど、上行形下行形を厳格に区別しないと雰囲気が壊れるわけではないと感じます。

メロディック・マイナー・スケールを下行するときは、通常ナチュラル・マイナー・スケールに変化させる。

陰音階:上行形(Insen Scale)

上行形の使用曲としては、宮城道雄の『春の海』が有名ですね。

お正月によく聴こえてくるアレです。

陰音階:下行形(In Scale/Sakura pentatonic scale)

下行形は、古謡『さくらさくら』などで用いられています。

陰音階の下行形が「Sakura pentatonic scale」と呼ばれる由来でもあるようです。

どちらかと言えば、下行形の方がダークな雰囲気を帯びている気がします。

その他の和風スケール

ペンタトニック・スケール陰音階の上行形と下行形を親スケールとするモード(旋法)を中心に、和風なスケールをさらに深掘りした記事はこちら。↓

和風・日本のスケール(音階)のモード(旋法) まとめ
和風なスケール(ペンタトニックスケール、陰音階)とその関連モード(旋法)についてまとめました。かなりマニアックな内容です。笑

②コード

メロディに対してどのようなコードをつければ良いか。

僕は、“ペンタトニックスケール”“陰音階”ではそれぞれ違う発想で考えています。

ペンタトニックスケール

ダイアトニックコード周りから探る

ペンタトニックスケールの場合は、変形前のメジャースケール(※CメジャーペンタトニックスケールならCメジャースケール)で使えそうなダイアトニックコードから響きを探っていきます。

ダイアトニック・コード一覧表 O-TO【音楽理論ウェブアプリ】
ダイアトニック・コードの一覧表アプリです。表示は全てのキーへ切り替え可能です。各コードに対応するテンションや、モード・スケールも確認できます。

意外と攻めた和音を使っても成り立つ気がします。

むしろ、Japanese Djentシリーズでもよく使っている「#Ⅳm7(♭5)」とかは、使い方によってはめちゃくちゃ和風っぽい気がします。(僕だけ?)

コードに2度でぶつかる響きを付与する・3度を抜く

そして、ある程度流れが固まってさらに和風感を足したければ、「コードに2度でぶつかる響きを付与する」・「3度を抜く」などが有効だと感じます。

具体的には、コードを適宜add9sus4に変形した形になるかと思います。

例:

F → G → Am

Fadd9 → G6 → A7sus4

に変形してみるなど。

陰音階

僕は、「半音でぶつかった響き」が”陰音階の響きっぽさ”だと感じます。

したがって、陰音階にコードを付ける場合はこの「半音でぶつかった響き」を意識的に取り入れたいです。

たとえば、”Eの陰音階“であれば「ミ・ファ」、「シ・ド」のぶつかりを積極的に取り入れつつ、ベースラインとトップノートの動きを工夫すると、それなりにバリエーションが出せる気がします。

つまり、モード的な発想でいうところの特性音モーダル・フラグメントを意識するわけです。

③ハモリ

意外と見落とされがちなハモリ

メロディに対してハモリを4度でつけてみる」のは、和風感の捻出に効果的かもしれません。

もちろん、3度でハモリを付けても和風感が”“になるわけでありません。

しかし、3度の響きは”西洋音楽らしさ”を支える要素の一つなので、あえて違う響きを意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。

④音色

当たり前かもしれませんけど、和楽器音色を入れると和風感が増します。

色々な和風音源を活用したり、生音をサンプリングしてみると良いかもしれません。

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その他

雅楽を学ぶ

今回は、かなりポピュラー音楽的な目線から”和風っぽさ“について見てきました。

しかし、生の和楽器を使ったガチの和風曲となると…それぞれの楽器の特性や、ジャンルとしてのマナーもより深く考えなければならないでしょう。

そういった部分までリアルを追求するならば、和楽器の特性日本の音楽に対する更なる理解が必要になります。

たとえば、こちらのページでは雅楽のオーケストレーションについて詳しくまとめられています。

雅楽概説
Gagaku

この辺りは、僕もまだまだ勉強中です。

実際の和風曲を参考にする

自分の資料用の和風曲をストックしているプレイリストです。

具体的な作曲解説

KHUFRUDAMO NOTESの『KEGON』の作曲について、実際に動画で話しながら解説しました。


まとめ

僕も毎回色々と試行錯誤をしながらJapanese Djentシリーズを作っています。

和風の曲と言っても様々なので、みなさんも色々研究して素敵な和風曲を作ってみてください。

では!

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