【作曲】曲のキーを論理的に決める方法【DTM】

音楽理論・DTM関連

みなさんこんにちは!クフルダモノーツYoshito Kimura(k1mu)です!

今回は「曲のキーを決めるときの考え」をまとめました。

 

※記事の中で「LowE」とか音名を指定する表記が出てきます。
「そういうのよく分からない!」という人はリンクからこちらの表↓を参考にしてみてください。

①ヴォーカルの最高音と、楽器の美味しい音域から考える。

結論から言えば

①曲に使用する楽器の特性
②ヴォーカルの最高音をどう使うか

この2つのバランスを考えて、キーを決めることが多いです。

①曲に使用する楽器の特性

まずは、曲に使用する楽器の特性を考えます。

 

楽器には出せる音域の幅に違いがあります。

また、音は出たとしても“美しい音を出せる音域“や、
演奏しやすいフレーズ”にも違いがあります。

 

たとえば、6弦ギターの最低音は”Low E(ミ)です。

エレキギター 962 Woodworks

もし、ギターで元々LowEを使ったフレーズを
さらに半音下のキーで演奏したくなった場合を考えます。

当然、そのままのチューニングでは“LowE”以上低い音を出せないので
まるまる1オクターブ上げてそのフレーズを弾くしかありません。

当然、フレーズの雰囲気はかなり変化してしまいます。

 

反対にキーを上げる場合
開放弦を使用するフレーズに不都合が生じやすいです。

こんな感じのギターフレーズは典型的です。
1つキーを変えだけで運指に無理が出てくる場合があります。

 

このように、キーが1つ変わるだけでもけっこう面倒くさい場合があるわけです。

 

もちろん、ギターの場合
ダウンチューニングや、カポタストを付ければ ある程度は対応できます。

他の楽器も、奏者の力量工夫によって演奏が可能になる場合もあります。

しかし、基本的には楽器の美味しいところを使えるキーに設定するべきです。

 

大まかな目安としては
弦楽器は「調号に#がついているキー」、
管楽器は「調号に♭がついているキー」が比較的演奏に適していると言われます。

 

※もちろん、一番良いのは作曲者がそれぞれの楽器の特性について知っていることです。

②ヴォーカルの最高音とキーの関係

一般的にメロディの中で、高い音を使う部分は目立ちます

やはり、最高音は「ここぞ!」という場所で、上手く使っていきたいですよね。

 

もちろん、曲を作ってから歌いやすいようにキーを調整しても悪くありません。

しかし、曲が仕上がってきてからキーを変えると、
先ほど紹介したように楽器のフレーズ的に問題が起きる恐れがあります。

 

そんな面倒くさいアレンジや録音のやり直しを防ぐために、
最初から「ヴォーカルの最高音から逆算してキーの選択するやり方を紹介します。

Ⅰの和音とⅣの和音とⅥの和音 に注目する。

では、どのように”逆算“をするのか。

 

…音楽の作り方は自由です。
しかし、ある程度のセオリーは存在します。

それを逆手に取ります。

 

具体的には

ダイアトニックコード↓のの和音との和音とⅥmの和音に注目して考えます。

△7  Ⅱm7  Ⅲm7  △7  Ⅴ7  Ⅵm7  Ⅶm7(♭5)

例:Cメジャーキー(ハ長調)のダイアトニックコード↑

この中で、一般的にフレーズ先頭や印象的な場面に使われるのは
圧倒的にの和音との和音とⅥmの和音(とその変形)です。

たとえば、有名な
カノン進行始まり、
王道進行始まり、
小室進行Ⅵm始まりですね。

「Ⅵm始まりの曲なら短調じゃないのか?」という声も聞こえてきそうです。
しかし、ここでは並行短調(調号が同じ関係の短調)も長調のディグリーで考えます。

 

この次点でⅡmが使われますが、使用頻度としては上の3つには遠く及ばず、
使われたとしても の代理として扱われる場合が多いです。

そして、残るⅢm、Ⅴ、Ⅶm(♭5)は、別のキーを意識させやすく
少なくともポップスでは最高音を使うシチュエーションに使われる頻度は低い気がします。

つまり

Ⅵmの和音と、ヴォーカルの最高音の関係性から逆算すれば良いのです。

最高音は、できるだけ印象的な場所にブチ込んでいきたいので、
このやり方はそれなりに合理的だと思います。

それに、もし仮にこの逆算が上手くいかなくても、
その時に改めてキーを調整しても遅くないはずです。

 

ということで、
Ⅵmの和音最高音どんな関係になるか」を12種類のキーごとにまとめました。

最高音から考えるキー

#,♭±0:最高音がトニックのキー (最高音がCの場合、Key=C) 

オススメ度★★★★☆

移動ドで考えた場合、最高音が「ド」になるキー。

そして、最高音がⅠのルート音、ⅣのP5th、Ⅵmのm3rd になります。

一番安定しており、盛り上がりを演出しやすいキーです。

 

長調の主和音のルートが最高音で使えるところや
最高音がⅠの和音とⅣの和音とⅥの和音のコードトーンである点もポイントが高いです。

♭+5:最高音の短2度上(半音+1) がトニックのキー (最高音がCの場合、Key=D♭)

オススメ度★★★☆☆

移動ドで考えた場合、最高音が「シ」になるキー。

そして、最高音にⅠの△7th、Ⅳの#11th、Ⅵmの9thになります。

 

Ⅰの△7thはコードトーンなので言わずもがな、

Ⅳの#11th、Ⅵmの9thも比較的使い勝手の良いテンションなので、
コンセプト次第ではオシャレな響きに最高音を使えるキーです。

ただ、作りたい曲調によってはハマらない場合もありそう。

♭+3:最高音の短3度上(半音+3)がトニックのキー (最高音がCの場合、Key=E♭)

オススメ度★★★☆☆

移動ドで考えた場合、最高音が「ラ」になるキー。

そして、最高音がⅠの13th、ⅣのM3rd、Ⅵmのルート音になります。

 

平行短調のルートが最高音で使えるので、短調で攻めたい場合はまず選択肢に入れたいキー。

ただ、Ⅰの時は13thになり、長調で最高音として活かすのはちょっと難しそうです。

♭+1:最高音の完全4度 (半音+5) 上がトニックのキー (最高音がCの場合、Key=F)

オススメ度★★★★☆

移動ドで考えた場合、最高音が「ソ」になるキー。

そして、最高音がⅠのP 5th、Ⅳの9th、Ⅵmの7thになります。

 

3つの和音とも最高音がいい感じでハマりやすい部分に来ています。

特にオシャレな曲や、ポップソングを作るときには有力な選択肢になる気がします。

#+1:最高音の完全5度 (半音+7) 上がトニックのキー (最高音がCの場合、Key=G)

オススメ度★☆☆☆☆

移動ドで考えた場合、最高音が「ファ」になるキー。

そして、最高音がⅠの11th、Ⅳのルート音、Ⅵmの13th になります。

 

最高音がⅣのルート音に来るキーですが、
Ⅳのルート音(移動ドで「ファ」の音)は、経過音的に使う場合が多く、
ロングトーンや目立つ場所で使っても微妙な感じになります。

他の二つの和音に対しても、メロディとしてエモくしにくい響きになってしまうので、
キャッチーさを目指す場合、最初の選択肢として選ぶキーではない気がします。

♭+4:最高音の短6度(半音+8)上がトニックのキー (最高音がCの場合、Key=A♭)

オススメ度★★★★

移動ドで考えた場合、最高音が「ミ」になるキー。

そして、最高音がⅠのM3rd、Ⅳの7th、Ⅵmの5th が最高音になります。

 

最高音をⅣ△7の7thとして使えますし、
ⅠやⅥmに対してもハマりが良いので、安定感と良い感じを両立できそうです。

また、メロディーを考える時に移動ドで「ミ」の音は一番使い勝手が良い音です。

※詳しくはこちら↓

このキーでは、その「」を最高音に持ってくることができます。

バランスがとれているので特にこだわりがなければ、まず試してみる価値があるキーだと思います。

♭+2: 最高音の短7度上 (半音+10) がトニックのキー (最高音がCの場合、Key=B♭)

オススメ度★★☆☆☆

移動ドで考えた場合、最高音が「レ」になるキー。

そして、最高音がⅠの9th、Ⅳの13th、Ⅵmの11th が最高音になります。

 

どれも最高音がⅠ, Ⅳ, Ⅵmのテンションになり扱いが難しいです。

好きな人は好きそうな響きになりそうだけれど、僕は無理して選ばないであろうキー。

その他のキー(最高音ドの場合、Key= D , A , E , B , F# )

オススメ度☆☆☆☆☆

最高音をルートに持つキーから (いわゆる五度圏を時計回りに) #+2, #+3, #+4, #+5, #+6したトニックを持つキー。

最高音がキーの音に含まれていないので、美味しく使える公算が小さいです。

サビで転調するなどして、
上記の最高音を使うためキーへ行くための布石などでなければ、
選択する意味は薄いと思います。

一覧表

真ん中の列の音を最高音とした場合、
その横の列に書いてある音から始まるキー(メジャースケール)と
どのような関係になっているかが分かります。

 

「キーのオススメ度」はポップでキャッチーな価値観に立って評価を決めました。

もっと他のモーダルな音楽や、転調しまくる音楽や、
調性が曖昧な音楽の場合は、別途バランスを考えてもらえればなと思います。

②可読性から考える。

同じフレーズでもキーが半音違うだけで…

誰かに曲を弾いてもらう場合、楽譜に調号が多くつくキーは少しためらいます。

(演奏を頼む相手にもよりますが)

 

たとえば、Key=D♭の場合。

Key=D♭の調号には♭が5つ ついています。

しかし、半音上げてKey=Dにすれば調号は#が2つですし、
半音下げてKey=Cにすれば調号の変化記号がなくなります。

 

使用楽器がピアノなど音域に余裕がある楽器で、他人に弾いてもらう場合
特に意図がなければ演奏者が読みやすいキーを使用するのもアリだと思います。

 

ちなみに、これはあくまで一般的な表記の話で、
楽器によっては実音と楽譜に書いてある音や調が違うので その部分も注意が必要です。

③他の曲との兼ね合いから考える。

たとえば、アイデアの一つとしてバンド内やアルバムに収録する曲の中で

キーをばらつかせたり、逆に固定するなどは面白いと思います。

 

ただ、僕は絶対音感を持っていないので、曲を聴いて
このアーティストまたこのキー使ってるな…」みたいに思ったことはありません。

(楽曲分析をしていて思ったことはありますけど)

そして、絶対音感を持っている人でも
そういうことを言っている人をあまり見たことが無いので、
そこまで意味がある努力ではないかもしれません。笑

④考えない。

最後の最後で、自分の記事のタイトルを自ら否定していくスタイル笑

色々書きましたが、1周回ってテキトーに
「その時の思いのままにキーを決定する」という選択肢も持っておきたいです。

 

いつも色々考えてばかりだと疲れます。

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