徹底解説!「倍音」とは!?【ゼロから学ぶ音楽・音楽理論 基礎】

音楽教育

こんにちは。クフルダモノーツのk1muです。

今回は、倍音(ばいおん)について説明をします。

 

楽器を弾く曲を作る音声編集をするなど、”音楽のやり方”は人それぞれですね。

 

ですが、どんな「音楽」との関わり方をするにせよ

この「倍音」の知識を知っていると とても役に立つはずです。

 

…なにそれ? 難しそう?

 

大丈夫です。

できるだけ分かりやすく解説していこうと思うので、最後まで見ていってね!!!

「倍音」とは何か

「自然界の全ての音」は、「さまざまな高さの音」の集合体である。

身の回りには、楽器の音・人の声・自然の音など… 色々な「音」があります。

こういった自然界に存在する「音」を、 人間はそれぞれ「1つの音」として認識しています。

しかし、実際にはこれらは「いくつもの高さの音の成分(正弦波)が混ざり合った音」なのです。

 

 

???

…よくわからない?

 

…では、ラーメンで例えると…

ラーメンは「1つの食べ物」として成り立っていますが、

チャーシュー海苔など、色々な食材の集合体でもありますよね。

同じく「身の回りの音」も、実は色々な音が混ざり合って「1つの音」になっているイメージです。

音を波形で見てみよう。

…まだ ピンと こない? 笑

では、具体的に「音」で見てみましょう。

音を波形グラフで 見るために「スペクトラムアナライザー」↓を使います。

このグラフはタテ軸が音の大きさ(音量)、ヨコ軸が音の高さ(周波数)を表します。

音圧レベルの単位はdB(デシベル)、周波数の単位はHz(ヘルツ)と言います。

(※別にここらへんは よく分からなくても大丈夫です。)

ピアノのラの音( hiA:440Hz)

早速、ピアノの「ラ」の音

を鳴らした様子を スペクトラムアナライザー↓で見てみると、このようになります。

半透明の部分が、音の出ている場所です。

なにやら細い山がたくさんシュバババッ!と立ち上がっていますね。

この波形をどう理解するのか、書き込んで説明すると…

こんな感じです。笑 

よく分からない言葉が、書き込んでありますが…

…とりあえず実際に弾いた「ラ」以外にも色々な音が出ていることを抑えてください。

倍音に関係する用語の説明

ここで、用語解説タイムです。

今回の記事は、今から紹介するの用語がなんとなく分かればOKです!


まず、実際に弾いた鍵盤の「ラ(440Hz)」から出ている音を

「基音(きおん)」と言い

 

シュバババッ! と針のようになっている部分の音を

「整数次倍音(せいすうじばいおん)」と言ます。

 

そして、その他の モワッ と盛り上がった部分や、整数次倍音の間にある部分などを

「非整数次倍音(ひせいすうじばいおん)」と言います。

 

(非整数次倍音は音程感を感じにくいノイズ的な成分のことで、厳密には異る解釈をする時もありますが、「噪音(そうおん)」とも呼ばれます。)

 

…と そんなに一気に言われても「オイオイ待てよ」って感じですよね笑

「倍音」とは、ある音が鳴った時に、共鳴・付随して出てくる音

つまり「倍音」とは、

このようにある音が鳴った時に、共鳴・付随して出てくる音のことです。

 

そして、主に「倍音」「整数次倍音」「非整数次倍音」の2種類をまとめたものを指し、

「基音」「整数次倍音」をまとめて「楽音(がくおん)」とも言います。

 

整理するとこんな感じになります。


※現実の音に含まれる倍音は必ずしも厳密な整数倍ではなく、揺らいでいます。

また、シンセサイザー等で作った綺麗な整数倍の倍音を含む音は、人工的な響きに感じることが多いです。

ピアノの音を周波数帯域別に聴いてみよう!

「なるほど…? でも、まだイマイチ実感が沸かないな…」 と思っているあなた。

たしかに波形で見ても、実際の音と照らし合わせてみなければ、よく分かりませんよね。

そこで、イコライザーを使って、特定の高さの音だけを抜き出して聴いてみましょう!

現代ではそういう事ができてしまうんですね! 

 

かがくのちからってすげー!

 

基音のみ

まずは、基音(440Hz)付近だけを切り取って鳴らした音。

時報のような音ですね。

※「純音(じゅんおん)、サイン波」(に非常に近い音)です。

「”hiA“とかそういうのよく分からない」という方は、こちらを参考にしてみてください。

低域の非整数次倍音 部分のみ

次は、非整数次倍音です。

(厳密にはこの部分だけが非整数次倍音というわけではないのですが…)

鍵盤の ゴンッ! という音が良く分かりますね。

非整数次倍音は「ド」とか「レ」など、はっきりとした音程を感じにくい音の成分で、ノイズ的な成分とほぼ同じように考えられると思います。

整数次倍音 部分のみ

そして、整数次倍音です。

ここでは整数次倍音のうち、2番目の倍音のみを抽出して鳴らしてみました。

これは実際に弾いたピアノのラの音(hiA)の音の「1オクターブ上のラ」の音に相当する音です。

そして、こういった倍音をまとめて整数次倍音と呼びます。

ミッシング・ファンダメンタル

では、反対に基音をカットして整数次倍音のみを聴いてみると、どうなるのでしょうか。

音が軽く、スカスカになった気がしますね。しかし、これが「ラ」の音だとは分かります。

 

このように基音が鳴っていなくても、倍音から基音を判別できる現象を音響心理学の用語で

ミッシング・ファンダメンタル(失われた基音)

と言います。


※ただ、3000Hz~4000Hz以上の超高音域の倍音だけになってくると、さすがに何の音かよく分からなくなります。


ここでのポイントは

色々な倍音が混ざって、1つのピアノの音に聴こえていること。
・基音をカットしても、人間はある程度まで元の音程を認識できること。

です。

人間の耳って不思議ですよね!

楽器の音色が違うワケ

…さて、少し「倍音」についてイメージが掴めてきたでしょうか?

 

ここで、楽器によって音色が違うワケ「倍音」を使って説明したいと思います。

ギターのラの音(440Hz)

今度は「ラ」は「ラ」でも、ギターで鳴らした「ラ」を聴いてみましょう。

…うん。

ギターの音ですよね。

多くの人は、「ピアノの音」と「ギターの音」を聴き間違えることは無いと思います。

当たり前と言えば当たり前ですが、ちょっと不思議な気もしませんか?

…この答えも「倍音」にあります。

楽器の倍音を比べる

先ほどのピアノの波形ギターの波形比べるとこのようになります。

整数次倍音の分布はだいたい同じだが、微妙に違う。

非整数次倍音の分布は結構ちがう

ことが分かるでしょうか?

つまり、同じ「ラ」の音でも、ギターとピアノでは倍音の出方の組み合わせや量が違うので、

「違う楽器の音」だと認識できるわけです。

もちろん、サックスやシンセサイザーなど、その他の無数の楽器についても同じことが言えます。


また、過去にこんな記事を書きましたが

同じ種類の楽器でも”個体”や”演奏者”が変われば、出ている倍音の構成は異なります。

(ただ、種類が同じなので差が少なく、分かりにくい)

このように、”楽器の音の良し悪し“のような分かりにくいトピックも、「倍音」の知識を知っていると具体的に捉えやすくなると思います。

基音だけを聴いてみる

逆に「倍音」を極力排除して、「基音」だけを聴いてみましょう。

まず、ピアノ、ハープ、エレクトリックピアノの音を用意したので、確認してみてください。

元の音

ピアノ
ハープ
エレクトリックピアノ

基音のみ

では、この3つの音の倍音を排除して、「基音」だけにしてみましょう。

ピアノ
ハープ
エレクトリックピアノ

楽器の判別が難しすぎますね 笑

倍音」が、音色に与える影響の大きさが分かると思います。

非整数次倍音について

では、ここで改めて「非整数次倍音」について着目して見ていきましょう。

打楽器の音や、喋り声などに多く含まれ、「非整数次倍音」には音程感を感じにくいです。

ドラムの音
目立ってシュバババッと立ち上がっている部分は無い。

このようにドラムの音を聴いても、これが「ド」だとか「レ」だとかあまり感じませんよね。

喋り声
こちらも、目立ってシュバババッと立ち上がっている部分は無い。

喋り声についても同じですね。

歌声

しかし、歌声になると「整数次倍音」が多くなっているので音程が認識しやすくなります。

※音声は例のごとくNaikiが送り付けてきたものから引用 笑

「歪み」について

この流れで歪みについても説明できます。

ギターの歪みエフェクターに、「ディストーション」があります。

これは音を歪ませるためのものですが、そもそも「歪み(ひずみ)」とは一体何でしょうか。

「歪み」とは倍音の付加

結論から言えば、「歪み」とは倍音の付加です。

歪む前のギターの音がこれで

歪ませたギターの音がこれです。

波形を比べてみると

歪んでいる方がたくさん倍音が出ていることが分かります。

ただ歪ませた後は、本来シュバババッと分かりやすく立ち上がっている「整数次倍音」が埋もれて、どちらかというとドラムなど「非整数次倍音」が多い音の波形に近付いていますね。

バンド演奏などで、過度に歪ませたギターなどが何の音を弾いているかよく分からなくなってしまうのはこのためです。

歪んだ音を鳴らすときのコツ

したがって、歪ませた音で複雑な和音を鳴らすことはあまり推奨されません。

こういった場合は

 ・ルートと5度だけを鳴らすパワーコードを使う。
・構成音の多いコードは5度を抜いたりルート音をベースに任せたりする

などの工夫をすると、歪ませながらもカッコよく聴かせられる公算が大きいです。

「単音」と「和音」は同じ

さて、最後にかつて僕が知った時に「面白いな~!」と思った倍音に関係する視点を紹介します。

 

それは

「単音」と「和音(コード)」は物理現象としては同じ

ということです。

 

音楽をする時や聴く時は、「単音」「和音(コード)」を区別して考えますね。

しかし、物理現象としては「単音」「和音(コード)」倍音(≒正弦波)の集合体なので、同じものと捉えることができます。

つまり、「単音」や「和音(コード)」 を判別しているのは、あくまで人間の耳(脳)らしいということです。

音楽への応用

そして、この視点はただ面白いだけではなく、音楽をするときにも役に立ちます。

たとえば、編曲やミックスをする時に、「いろんな楽器の音が混ざっている」と考えるより、「色々な高さの倍音が混ざっている」と考えると、また違った景色が見えませんか?

また、音楽に関係する会話には、「ヌケの良い音」や「キラキラした音」など分かったような分からないような抽象的な言葉がたくさん飛び交っています。

こういった表現に対しても、「倍音」について学ぶと「具体的にこれらの言葉が何を指すものなのか」が、自分なりに理解しやすくなるのではないかと感じます。

さいごに

さて、いかがだったでしょうか!

スルーされがちな「倍音」に関する内容でしたが、 楽典の最初の方のページに載っていたりしますし、 僕は音楽をする上で非常に重要で役立つものではないかと思っています。

この記事の内容があなたの音楽活動に少しでも役に立てば幸いです!

では!

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