「音楽理論が何か知りたい」人へ、専門的な知識ゼロでも読める内容を心掛けて書きました。
では、いってみよう!(๑˃̵ᴗ˂̵)و
Q.音楽理論とは何か?
おおざっぱに音楽理論とは、
- 過去の音楽家たちのやったことを整理(体系化)したもの
- 色々な音楽の”王道”や”定番”をまとめたもの
です。
たとえば、国語の「文法」・「例文のまとめ」や、腕利きの料理人たちの「料理のレシピ」みたいなイメージです。
Q.音楽理論を知るメリットは?
音楽理論の習得には、大きく4つのメリットがあると思います。
①フレーズを作る助けになる。
→オリジナル曲作り、アレンジ、アドリブなどに役立ちます。
②音をひとつひとつ聴きとらなくても予想ができる。
→耳コピや採譜が楽になります。
③理論を知っている人同士なら、言葉で意思疎通ができる。
→他の人と音楽をする時に、お互いの考えを伝えやすくなります。
④既存の楽曲を分析できる。
→曲を覚えるのが楽になったり、フレーズの引き出しが増えやすくなったりします。
Q.音楽理論を守らないとどうなる?
A.”そのジャンルの音楽に聴こえない可能性”が上がっていく。
たとえば、クラシックの理論(手法)を破って、ロックの理論を持ち込むとします。
すると、ただクラシックに聴こえる要素が薄くなっていくだけです。
そして、結果的に出来上がる曲が良いか悪いかはまた別の問題です。
↑ロック・ギターにクラシック音楽の要素を盛り込んだギタリストのイングヴェイ・マルムスティーン さん
料理でたとえると
カレーを作るレシピは、大まかに「肉・玉ねぎ・ジャガイモなどの材料を炒めて、最後にカレールーを入れる」 ですね。
では、レシピを無視してカレールーを入れずに、醤油や砂糖やみりんを入れるとします。
多くの人は、この料理を「カレーじゃなくて、肉じゃが!」だと感じるはずです。
しかし、美味しいかどうかは別の問題ですよね。
このように、ある特定のジャンルでの禁則が別のジャンルでは定番のサウンドになる場合もあります。
細かく考えていけば、ジャンルや、流派や、先生や、ミュージシャンの数だけ理論があると言えます。
ある意味、「音楽理論を破る行為」は「新しい音楽理論やジャンルを作る行為」です。
したがって、ジャンルを固定しなければ「正解」も「禁止事項」も無いのです。
音楽理論にはいろいろな流派があるけど…
かといって、どの「音楽理論」も全く違う内容ではありません。
同じものを違った視点から解釈したり、ジャンルに特化したまとめ方をしたりしている場合がほとんどだと感じます。
そして、僕の体感として大まかに、クラシック系とジャズ系に分かれる気がします。
僕個人は、この2択で言うと最初はジャズ系の勉強から始めました。
Q.音楽理論を知ると、自由に音楽ができなくなる?
勉強をやり始めてしばらくは、”音の使い方を制限されている“と感じる人もいるかもしれません。
しかし、学習を進めていくと「これはそう解釈すればアリなのね…」、「あれもこう考えればいけるか…」みたいに音の使い方は網羅されていきます。
そして
結局は、”何でもやって良い状態”に落ち着く
ので“音の使い方は制限されない” はずです。
ただ、この問いに真面目に答えると、最終的には”あなたが何をもって「自由に音楽をする」を定義しているか“によると思うので、「人によります。」
Q.セオリーにとらわれたくない人は、勉強しない方が良い?
「理論や、ジャンル、セオリーにとらわれない音楽をしたい!」と考える人もいるでしょう。
僕は、そういう方にこそ音楽理論の学習をオススメします。
なぜなら、本当に”セオリーにとらわれない音楽“をするためには逆に「”セオリーにとらわれた音楽”」を把握して意図せず既存の音楽ジャンルにカブるのを避ける必要があるからです。
そして、そのためには既存の音楽の分析が必要で、分析には音楽理論の知識が必要です。
したがって、”セオリーにとらわれない音楽“をしたい人ほど音楽理論の勉強が必要になると思います。
「型があるから型破り、型がなければ形無し」
十八代目 中村勘三郎
Q.音楽理論の勉強って大変なの?
音楽理論の勉強は「オープンワールドのRPGに似ている」と感じます。
ゲームには、単純なクリアには必要ないやりこみ要素もあります。
同じく音楽理論も隅から隅まで絶対に理解する必要はないと思います。
最初は「使えそうなところをつまみ食いする」くらいの気持ちでいいかもしれません。
そして、この記事の内容は、ゲームのマップ(地図) だと考えてください。 マップは攻略の方向性を知るために役立ちます。
しかし、細かい部分は実際にそのダンジョンに行かないと分からないですよね。
この記事も、大まかなイメージの把握を目的として書いたので、細かい専門知識などは極力省きました。
ちなみに、”オープンワールド”と例えたのは、ある程度ぼんやりとした学習の道筋はあっても、決まった勉強の順番は無いからです。
「理解」と「修得」は違う
音楽理論の内容は、話を聞いたり本を読んだりすると なんとなく”理解“できます。
(この記事の趣旨もそれ)
しかし 、実戦で使えるレベルまで”修得”するには、それなりの時間が必要です。
というのも、「音楽理論」の修得には3つのステップがあると考えているからです。
①:基本的な専門用語や概念を理解する。
②:理解した概念や用語で実際の楽曲や過去の実践から情報を学べる状態になる。
③:自分なりに①と②で学んだ内容を楽曲分析や作曲に応用できる状態になる。
そして、一度③まで行ったら終わりではなく、①~③を繰り返しながら徐々に自分が理解&使用可能な範囲を広げていくイメージです。
つまり、それぞれの「ジャンルの王道や定番を知って自分の糧とする」のが
最終的な音楽理論の目的だ とも言えます。
そういう意味で勉強に終わりはなく、色々な知識を吸収しながら自分なりの音楽理論を作り上げる必要があります。
もちろん、僕もまだまだ道半ばです。
たとえば、日本語の文法を知っているからといって、簡単に面白い小説は書けません。
料理のレシピを読んだからといって、すぐにプロの料理人並みの料理はできません。
それと同じだと思います。
とは言っても、反対に「難しい」と構えすぎるのも良くないとも思います。
Q.音楽理論で曲を作ると曲がつまらなくなる?
ちなみに、たまに「音楽理論で曲を作るとつまらない曲になる」みたいな言説を耳にしますよね。
個人的に、この意見は「まだ上記のステップをあまり積み重ねていない方の感想ではないかな?」と感じます。
と言うのも、料理に置き換えた場合、調理器具の名前や調理方法の概念や分類を学んで少し試しただけでは、まだ“絶対に美味しい料理が作れる段階”とは言えないですよね。
つまり、「音楽理論を参考にした曲より、何も考えずに感性で作った曲の方が良い!」という意見は…
「慣れない料理に挑戦して黒焦げになった卵焼きより、適当に作った卵かけご飯の方が美味しい!」と言っているのと同じ感じです。
たしかに、音楽も卵かけご飯も適当でも楽しめるのが良いところです。
ただ、料理が上達すると色々な調理方法で美味しい卵料理が作れたり、卵かけご飯自体にもアレンジを加えたりできますよね。
音楽理論も、長い目で見て付き合っていくものだと思います。
Q.具体的に何をどんな順番で勉強すればいいのか?
さて、ここまでの内容を読んで音楽理論に興味が出てきた人もいると思います。
しかし、「勉強したい!」とは思っても、最初は何から手を付けたらいいか分からない状態ではないでしょうか。
音楽理論マインドマップ
まず、僕自身の頭の中では大まかにこんな感じ↓で音楽理論の内容を整理して考えています。
※フルサイズ画像↓
音楽理論マインドマップ※動画での解説↓
O-TO
そして、こちらは僕が作った音楽理論の学習や音楽制作を補助するウェブアプリです。
色々な内容が視覚的に理解できるはずです。
ただ、最初はイマイチよく分からない部分もあると思います。
そこで、「僕が教えるとしたらこうするかな…」と思う学習の順番・注意点、学習に使えるオススメのサイトや本を別記事↓にまとめました。
音楽理論を勉強したいと思った方は、是非こちらの記事も参考にしてみてください!
では!