僕は、UVERworldが好きです。
ベースの信人さんが、オフィシャルサイトに「自慢:ここぞと言うときに笑いの神が降ってくる」みたいな自己紹介を書いていた頃から好きです。(今ではすっかりオシャレなページになってしまっている↓)
UVERworldは、妥協の無い良曲の数々とアツいパフォーマンスに加え、オセロの勝ち方まで教えてくれる非常に魅力的なバンドです。
あと、同郷なのでその点でも親近感があります。
今回は、そんなUVERworldが今までリリースした全曲のデータ(『D-tecnoLife』~『HOURGLASS』まで)を分析してみました。
はじめに
分析の方法
はじめに、分析の方法を軽く説明します。(興味が無い人は読み飛ばしてOKです。)
今回の分析は、Spotifyに配信されているUVERworldの楽曲情報を元に行いました。
Spotifyは、配信している楽曲に”AIで判定した曲の情報“を付与しています。
この”情報“には、「曲のキー」や「テンポ」などに加えてSpotify独自の評価項目も含まれます。
たとえば、”danceability“は「踊りやすさ」の度合い示す項目になります。
(詳しくは、ドキュメント↓のObjects Indexの項目あたりに書いてあります。)
そして、その”情報“はSpotifyのAPIを介して取得できます。
「API」は、ウェブサービス等が機能の一部を外部ユーザーにも使わせてくれる仕組みで、大雑把に言えば「プログラミング言語を使ってサービスの機能を使わせてもらうための受付窓口」みたいな概念だと思います。
…というわけで今回の記事は、上記の2つのプレイリストの”Spotifyが付与した情報“をAPIを介して取得し、主にpythonを使ってデータを比較・分析した結果になります。
扱う曲
2005年から2021年の間にリリースされた『D-tecnoLife』~『HOURGLASS』までの曲を対象にしています。
ただし、カバー曲や同じ曲の別バージョンは除いてあります。
また、基本的にアルバム収録シングル曲はアルバム収録版を優先しています。
そして、『凛句』などSpotifyに配信されていない曲はカウントしていません。
全部で182曲になりました。
では、いってみよう!(๑˃̵ᴗ˂̵)و
分析結果
キーの分布
基本的に弦楽器は「調号に#がついているキー」、管楽器は「調号に♭がついているキー」が比較的演奏に適しています。
詳しくは↓
UVERworldは、弦楽器であるギターを使うロックバンドです。
よって、本来はキーが「調号に#がついているキー」に偏る可能性が高いです。
しかし、思ったより偏っていませんね。
このデータからは、「楽器としての弾きやすさよりもヴォーカルの音域を優先している」、「ダウンチューニングのサウンドを好んで使っている」などの可能性が伺えます。
BPMの分布
BPMの最頻値は140、中央値は150、平均値は152でした。
とは言っても、比較的BPM=150台の曲が少ない気がしますすね。
約15年のキャリアの中で数曲しかありません。
しかも、そのうち半分以上は10枚目の最新アルバム『UNSER』以降の収録曲です。
曲名 | 推定BPM |
EDENへ | 155 |
クオリア | 154 |
First Sight | 154 |
HOURGLASS | 154 |
AFTER LIFE | 150 |
無意味になる夜 | 150 |
99/100騙しの哲 | 150 |
若さ故エンテレケイア | 150 |
Teenage Love | 150 |
これに関しては、『UNSER』のインタビュー記事でこんな発言がありました。
リズムと低音だけで構成されでいるような音像が、 海外では盛り上がりまくっているんです。
SOUND DESIGNER (サウンドデザイナー) 2020年2月号 p.8
その日本とまったく違う光景が、ものすごく強く印象に残っていて。
ビート感も BPM=185とかっていう遠さではなくて、それこそ70くらいのテンポで盛り上げていくんです。
僕らも以前から重低音にはすごくこだわっていますけど、それをバンドにもっときちんと取り人れることができたら、「盛り上がる曲を作ろう」となった時でも、BPMの縛りがなくなるんですよ。
BPM=70は2倍のテンポで考えると、BPM=150付近になります。
つまり、このインタビューの発言と、データ分析で浮かび上がったBPM分布の傾向は合致しています。
UVERworldが一貫してBPMにもこだわって曲作りをしていたと分かりますね。
散布図にしてみると、こんな感じです。
曲の長さ
概ね3分後半から4分後半の間に収まっているようです。
短い曲トップ10
1 | THE ONE(SE) | 0分42秒 |
2 | -妙策号外ORCHESTRA- | 0分54秒 |
3 | 零HERE〜SE〜 | 1分0秒 |
4 | -god’s followers- | 1分3秒 |
5 | TYCOON | 1分10秒 |
6 | -forecast map 1955- | 1分23秒 |
7 | UNSER | 1分24秒 |
8 | EYEWALL | 1分38秒 |
9 | to the world(SE) | 1分46秒 |
10 | PRIME | 2分28秒 |
SE系の曲や前奏っぽい曲を除くと『PRIME』が一番短いのですね。ドライビン ワッショイ!!
長い曲トップ10
1 | AWAYOKUBA-斬る(LIVE intro ver.) – Live Intro Ver. | 7分38秒 |
2 | DIS is TEKI | 7分37秒 |
3 | sorrow [file named “moment”] | 7分6秒 |
4 | 7日目の決意 | 6分46秒 |
5 | 言わなくても伝わる あれは少し嘘だ | 6分25秒 |
6 | セオリーとの決別の研究+81 | 6分23秒 |
7 | PRAYING RUN | 6分16秒 |
8 | 美影意志 | 5分54秒 |
9 | ALL ALONE (album ver.) | 5分43秒 |
10 | 哀しみはきっと(album ver.) | 5分42秒 |
『AWAYOKUBA-斬る』は独立した前奏込みの時間、『DIS is TEKI』はネタ曲、『sorrow [file named “moment”]』は前半4分くらい無音なので、実質の最長曲は『7日目の決意』ですかね。
ちなみに、蝉が7日間で死ぬのは俗説みたいです。
成虫になってからも1か月程度は生きているようですし、幼虫の間も含めると昆虫の中ではむしろ結構長生きな部類だとか。
各パラメータの相関関係を見てみる
Spotifyから取得した各パラメータの相関関係を見てみます。
相関係数はこちら。
以下、僕が気になった相関関係について詳しく見てみます。
YearMonth(リリース時期)とdanceability(踊りやすさ)
YearMonth(リリース時期)とdanceability(踊りやすさ)の相関関係です。
「約0.25」と弱いものの正の相関があります。
danceabilityは「踊りやすさ」を示すSpotify独自の評価項目です。
具体的にどのように「踊りやすさ」を判定しているかは分かりません。
ドキュメントでは以下の説明がされています。
Danceability describes how suitable a track is for dancing based on a combination of musical elements including tempo, rhythm stability, beat strength, and overall regularity. A value of 0.0 is least danceable and 1.0 is most danceable.
訳:テンポ、リズムの安定性、ビートの強さ、全体的な規則性などの音楽的要素の組み合わせに基づいて、トラックがどの程度ダンスに適しているかを説明します。値が0.0の場合は最もダンサブルではなく、1.0の場合は最もダンサブルです。
https://developer.spotify.com/documentation/web-api/reference/#objects-index
つまり、年々踊りやすい曲が増えている傾向があるわけです。
danceabilityが高いと判定された曲トップ10です。
曲名 | danceability | |
1 | -god’s followers- | 70.3 |
2 | ODD FUTURE | 69.9 |
3 | IDEAL REALITY | 69.5 |
4 | 此処から | 66.2 |
5 | 7th Trigger | 65.6 |
6 | 23ワード | 65.1 |
7 | KICKが自由 | 64.8 |
8 | Collide | 64.4 |
9 | Teenage Love | 64.3 |
10 | Mixed-Up | 64.1 |
1位がまさか『-god’s followers-』とは…ちなみに『神集め』は89位でした。
トップ10だけを見ると、最近の曲ばかりではありませんね。
ただ、”AIの判定のクセ“みたいな要素も結構感じます。
YearMonth(リリース時期)とPopularity(知名度/人気)の相関関係
次は、YearMonth(リリース時期)とPopularity(知名度/人気)の相関関係です。
(リリース当日のHOURGLASSを除いて計算した)相関係数は「約0.26」と、こちらも弱いものの正の相関があります。
つまり、「新曲の方が人気の傾向がある」わけです。
ここでバンド名の由来を見てみましょう。
バンド名「UVERworld」は、「SOUND極ROAD」からの改名時、500以上の候補から彰が提案した「〜world」と、「超える」の意味を持つドイツ語「über」と英語「over」とを混ぜ合わせた造語で、バンド名の意味は「自分達の世界をも越える」
https://ja.wikipedia.org/wiki/UVERworld
まさに「名は体を表す」結果ですね。
人気曲
ちなみに、Spotify内での人気曲トップ10です。(2020年2月現在)
Spotify内人気順 | 曲名 |
1 | CORE PRIDE |
2 | D-tecnoLife |
3 | Touch off |
4 | Colors of the Heart |
5 | ROB THE FRONTIER |
6 | 儚くも永久のカナシ |
7 | AS ONE |
8 | ODD FUTURE |
9 | SHAMROCK |
10 | CHANCE! |
ベスト・アルバム『ALL TIME BEST』で行われた人気投票と比べてみても面白いですね。
ALL TIME BEST順位 | 曲名 |
1 | THE OVER |
2 | MONDO PIECE |
3 | 在るべき形 |
4 | マダラ蝶 |
5 | Ø CHOIR |
6 | PRAYING RUN |
7 | 一滴の影響 |
8 | CHANCE! |
9 | CORE PRIDE |
10 | 7th Trigger |
さいごに
いかがだったでしょうか。
また違った角度からUVERworldを楽しめたのであれば幸いです。(๑˃̵ᴗ˂̵)و
ちなみに、僕の好きな曲順です。笑
曲名 | |
1 | 7th Trigger |
2 | Colors of the Heart |
3 | PRAYING RUN |
4 | THE OVER |
5 | CHANCE! |
6 | D-tecnoLife |
7 | AWAYOKUBA-斬る |
8 | CORE PRIDE |
9 | GOLD |
10 | はかないえいきゅうの…なんとか |