緊急地震速報でアドリブ【緊急地震速報の音楽理論的解釈】

演奏してみた
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ふと、「緊急地震速報の上でアドリブソロを弾いたらどうなるのか…」
と思ったので、実際にやってみました。

緊急地震速報について

と、その前に…

大半の人には、緊急地震速報は「心地よい」とは思えないサウンドだと思います。
もちろん、非常事態を知らせるためのアラーム音なので意図的にそうなっています。

では、具体的になぜ緊迫感を与える音に聞こえるのでしょうか?

音楽理論的な視点で説明したいと思います。

※注意:動画を再生すると緊急地震速報が再生されます。

緊急地震速報の構成音

緊急地震速報の音は

ソ、ド、ミ、シ♭、レ♯」 → 「ソ♯、ド♯、ファ、シ、ミ

の繰り返しです。

ドミナント・セブン・シャープナイン

この音をコードネームで解釈すると

C7(#9) /G  C♯7(#9) /G♯

(転回形なので、構成音だけで考えると、C7(#9)→C♯7(#9)です。)

となります。

これは、どちらも“ドミナント・セブン・シャープナイン”と呼ばれる和音で、不安定な”ドミナント・セブン コード“の響きに、更に不協和な関係の音(♯9thのテンション)を加えた和音です。

つまり、単体でも不安定なサウンドの和音が半音違いで動いているので、かなりの不安定さを感じるわけです。

音色

そして、和音の流れに加えて音色も、緊急地震速報の緊迫感を与えている要素でしょう。

音楽の雰囲気は音色によって大きく左右されるからです。

(たとえば、同じ曲でもオーケストラの音と、レトロゲーム的な8bitサウンドでは印象が変わりますよね。)

実際に、緊急地震速報には聴き取りやすい余韻の短く金属的な音色が使われています。

スペクトラムアナライザで倍音構成を見てみるとこんな感じ。

この辺りの話を詳しく知りたい方は、こちらの記事がオススメです。↓

とはいえ、音楽的に「使っちゃダメな和音」ではない。

ここまでの内容を読んで、「そっか。不安定で、普段使われていない和音だから異質に聴こえるのか…」と思う方もいるかもしれません。

しかし、音楽的には「不安定」=「使ってはいけない」ではありません。

音楽の多くは、安定した響き和音不安定な響きの和音を繰り返しながら進んでいます。

むしろ、「“ドミナント・セブン・シャープナイン”を含め、不安定な和音が無ければ、ほとんどの曲が成り立たなくなる」と言っても過言ではありません。

ジミヘン・コード

また、「普段使われていない」と感じるのも、恐らく錯覚です。

和音の与える印象は、前後の和音の流れによって大きく変わります。

たしかに、半音違いで”ドミナント・セブン・シャープナイン“を連続で鳴らすのは珍しいので、緊急地震速報は、異質な響きに聴こえるはずです。

しかし、”ドミナント・セブン・シャープナイン“自体は、オシャレな音楽(ジャズなど)を中心として普通によく使われるコードです。

ロック界隈でも、有名なギタリストのジミ・ヘンドリックスが多用したので、“ジミヘン・コード”と俗称が付くほどです。

アドリブの考え方について

では、本題です。

アドリブするにあたって、僕は緊急地震速報の音をモード的に解釈するアプローチを試しました。

つまり、コードの切り替わりが速いので、「C7(#9) /G→C♯7(#9) /G♯」のコード進行を和音の流れではなく、ひとつのリフとして捉える発想です。

そして、このリフの上でいい感じに使えそうなスケールを探します。

この2つのコード「C7(#9) /G→C♯7(#9) /G♯」の構成音を全てまとめると…

ド ド♯ レ♯ ミ ファ ソ ソ♯ シ シ♭

…12種類ある音のうち、「ファ#」以外の11音が鳴ってます。

「だからって、11種類を適当に使ってもなぁ…笑
この上で良い感じに使えそうなスケールって無いものか…。」

と…考えて…使えそうだなと思いついたのが

フリジアン♭4thスケール

ハーモニックメジャーの第3モード「フリジアン♭4thスケール」

Cが主音の場合、構成音は(ド レ♭ ミ♭ ファ♭(ミ) ソ ラ♭ シ♭)

このスケールは、ドミナント・セブン コードのコードトーン+♭9th,♯9th,♭13thのテンションと解釈できます。(ダイアトニックコード的に考えると違いますけど。)

スケール(70種類以上)の構成音を調べる O-TO【音楽理論ウェブアプリ】
70種類以上のスケールの構成音や情報を、全てのキーで調べられるアプリです。指定したスケールの構成音を含む主なコードも表示されます。

♯11にあたる「ファ♯」は含まれません。

「おお、いい感じ!これ使おう!」

となって↓の動画ようになりました(笑)

※この動画は純粋な音楽的興味に基づく作品であり、実際の地震には関係ありません。
※緊急地震速報に恐怖心を感じる方には視聴をおすすめしません。

というわけで…なんというか…馬鹿なんだか真面目なんだかわからない試みでした。(笑)

2021年 追記

なにやら、この記事が最近またちょくちょく読まれているので追記を書きます。笑

…もうコレ7,8年前ですか。(驚愕

演奏も、フレーズも、理論的な発想の部分も今より未熟で恥ずかしい限りです。

 

それから、かつての僕は「良い感じに使えそうなスケールって無いものか…」みたいに、スケールを探すのに悩んでいますね。

…実は、最近そんな悩みを吹き飛ばすウェブアプリを作りました。

これを使えば、こんな感じ↓で一瞬でスケールの候補を絞り込めます。

ジミヘン・コードの情報

コードネームから調べる場合↓

コード(100種類以上)の構成音を調べる O-TO【音楽理論ウェブアプリ】
100種類以上のコードの構成音や情報を、全てのルート音で調べられるアプリです。同時に、指定したコードの構成音を含む主なスケールと、ネガティヴ・ハーモニー理論に基づく代理コードも表示されます。

音の組み合わせから調べる場合↓

コード/スケール名を逆引き検索 O-TO【音楽理論ウェブアプリ】
選んだ構成音に対応するコード・ネームやスケール名を検索できるアプリです。コードの特徴など、詳細情報も確認できます。

もし、当時の僕と同じ悩みを持っておられる方は、是非参考にしてみてください。

おまけ

最後に、おまけで、“ドミナント・セブン・シャープナイン”が効果的に使われている最近の曲の例を紹介します。

最初のサビが終わって、AメロのGmキー(♭×2)へと転調する直前、エレクトリックピアノのコード(0:45あたり)がF7(#9)→F7(♭9)です。

F7(#9)→F7(♭9)は、転調前のB♭mキー(♭×5)から見てⅢ7(#9)→Ⅲ7(♭9)響きになります。

Ⅲ7(#9)→Ⅲ7(♭9)は、フレーズの終わりに差し込むとオシャレ度がアップするオススメのコード進行です。

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