lofi hip hop(ローファイ・ヒップホップ)を作るために、勉強・分析した内容をまとめた記事です。
では、早速いってみよう!(๑˃̵ᴗ˂̵)و
BPMの特徴
まず、lofi hip hopを作るなら、テンポはBPM=70~85前後が基本と思います。
というのも、こちら↓のSpotifyのlofi hip hopプレイリストからAPIを使ってBPMの分布を解析したところ…
こうなりました。↓
かなりBPM=70~85(倍で解釈するとBPM=140~170)に集中していますね。
200曲を分析して、この偏り具合はなかなかだと思います。
もちろん、この情報を踏まえた上で…あえてハイテンポなlofi hip hopを作っても面白いかもしれません。笑
曲構成の特徴
大半のlofi hip hopにはヴォーカルがいません。(ただ声のサンプルが使用されている曲はわりとあります。)
そして、曲中で異なるセクション(ポップスの平歌、サビなど)へ展開していく曲も少ないです。
つまり、基本的に4小節もしくは8小節のコードリフを数回繰り返して終わる曲が多いわけですね。
曲の長さ
分析したところ、lofi hip hopは基本的に2分~2分30秒前後の曲が多いです。
ポップスの場合は3分30秒~4分前後の曲が多いので、比較的短めですね。
前述の通り、lofi hip hopはチルな雰囲気を保つため曲の途中で大きく展開を変えにくいです。
飽きさせないためにも潔く2分~2分30秒前後で曲を畳むのが粋なのかもしれません。
曲の尺(長さ)
曲の長さの情報から逆算すると…
BPM=80で8小節のコードリフを6回ループすると、2分 24秒(144秒)になります。
大体このくらいがlofi hip hopの王道の尺なんじゃないでしょうか。
曲展開の特徴
とはいえ、同じコードリフをただ6回繰り替えしていると退屈です。
「退屈」と「チル」は違いますよね。笑
どの曲もリズムセクションの抜き差しをしたり、メロディを変えたりして展開に幅を持たせている印象です。
具体的によく見受けられたのは
- ①コードリフと雰囲気を提示する。
- ②環境音やパッドの音量変化などで深みを出す。
- ③リズムセクションが入る +メロディが乗る。
- ④リズムトラックを抜き、少し変化を持たせた展開になる。
- ⑤再び③に。(少し変化を持たせてもOK)
- ⑥リズムトラックを抜きチルく終わる。
みたいな展開です。
この↑展開を基本にして曲展開を考えても悪くないと思います。
コードデザインの特徴
コード進行
10数曲くらいコード進行を軽くさらってみた印象です。
基本的に「ⅠMaj9」や「Ⅵm9」あたりの響きをウロウロしている気がする。
基本的に、メジャーコードの場合Maj7thや9thテンション、マイナーコードの場合7thや9thテンションの響きを付加したコードあたりが好んで使われるようです。
逆に、なるべくプレーンな3和音(トライアド)の使用は避けた方が「っぽく」なる気がします。
「Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ」みたいな露骨なケーデンスや強進行を控える。
チルな雰囲気を保つため、コードは控えめに動かします。
コードが切り替わっても、ベースだけ動かす or ほぼ転回形へ移動しただけみたいなケースも多い気がします。
たとえば
Am9 – G6 – CMaj7/F – Csus2/G
みたいな感じですかね。
ある意味、ジャズの対極みたいなコードデザインだなと感じます。
印象として、Ⅵm+テンション始まり、その次点でⅠ+テンション始まりのコード進行が多いですかね。
コードの切り替えタイミング
コードをどのタイミングで切り替えるか も曲の印象に大きく関係します。
lofi hip hopでは、シンコペーションや細かく複雑なタイミングでのコードチェンジはほぼ使われず、シンプルに小節のアタマや2拍目で切り替える曲が多い印象です。
サウンドアレンジ
「lofi hip hopらしさ」を強調するサウンドデザインの要素をまとめました。
音像
lofi hip hopは低域を強調して、高域をカットした音像の曲がほとんどです。
このロー盛り・ハイ落ち感は、その名の通りlofi(ローファイ)な質感には欠かせない気がします。
具体的には1.5kHz前後から緩やかにハイを抑えている曲が多い印象です。
イコライザーで削ってもいいでしょうし、元々ローファイな処理をされたサンプルを使うのでもいいでしょう。
サンプルの調達
サンプルの調達はloopcloudやspliceを使うのがラクでコスパが良いかと思います。
もちろん、好きなサンプルパックを買ってもいいと思います。
ノイズ
意図的にレコード系のノイズを乗せると、さらにローファイな質感を上乗せできます。
専用のプラグインがあるので、そちらを使うとラクです。
ただ、全ての曲にレコード系のノイズが入っているわけではありません。
Vinyl
iZotope社のプラグイン「Vinyl」を使えば手軽にレコード系のノイズを付与できます。
キックやベース以外を一瞬ダッキング
キックやベース以外のウワモノをコンプレッサーのサイドチェイン機能やヴォリュームのオートメーションでダッキングしているアレンジがよく見られました。
ダッキングで一瞬フッと音が無くなり、lofi hip hopっぽい独特のウネリが感じられます。
デチューンしたサウンド
デチューン(チューニングを微妙にずらす処理)を施されたサウンドも結構耳にしました。
RC-20 Retro Color
XLN Audio社の「RC-20 Retro Color」を使えば、デチューンに限らずあらゆるローファイっぽい質感をカンタンに付与できます。
lofi hip hopを作りたいなら、持っておいて損はないでしょう。
LoFi Piano
Cubaseユーザーなら無料の「LoFi Piano」を使ってみても良いかもしれません。
さいごに
自分の忘備録のため、また追加情報や訂正があれば更新します。
この記事が参考になれば幸いです!では!(๑˃̵ᴗ˂̵)و