多くのプラグインのイコライザーには帯域ごとに区切り線がありますよね。
この区切り線ごとに「どんな役割の帯域か」所感をメモしたので、シェアします。
イコライザーの区切り線で考える各楽器の役割
30Hz以下
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ほぼ聴こえません。モニター環境の仕様上は鳴らせるはずでも、人間の可聴領域の下限が大体20Hzです。
したがって、人間の機能的な問題で聴こえない可能性が高いです。(大音量での再生時に”振動”として身体に響いてくる可能性はあります。)
そもそも、ここまで低い成分が入ってない楽器・音源も多いです。
そんな理由から、30Hz以下をバッサリとローカットする方もいるようです。
(僕は不必要なノイズが含まれていない限りローカットはしません。)
30~40Hz
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この辺りから、ちゃんとした再生機器ならしっかり聴こえます。
大体キックの一番低い「ォウゥン」みたいな響きが居る帯域です。
40~50Hz
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ここは「通常編成の曲なら聴こえるのはほぼキックかな…」と思います。
808ベースみたいなサブベースも聴こえます。(あれ元々はキックの加工音ですしね。)
サブベースを入れる場合は、キックとの棲み分けを考える必要があるかもしれません。
50~60Hz
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ここもキックの独壇場。“キックの核”みたいなのが居そうな帯域だと思います。
60~70Hz
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まだキックの音が主役の帯域かな…と思います。
僕はこのあたりから「低い音が鳴ってる…」だけでなく“音程”を感じてきます。
70~80Hz , 80~90Hz , 90~100Hz
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このあたりも、まだ主役はキックだと思います。
ただ、80Hzあたりから“一般的なベースの音”がよく聴こえてきます。
ホントはもっと低い音も出てるハズですけど、ベースは第2倍音が一番よく聴こえるんですよね。
※4弦ベース開放弦(LowLow E)の第2倍音は82.4Hz
100~200Hz
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一番ベースのオイシイ部分が鳴っている帯域だと思います。
なので、この帯域にいる他の楽器はある程度ベースにスペースを譲っていいと思います。
特にキックとこの帯域でぶつかってしまうと、あんまりいい結果にならない気がします。
200~300Hz , 300~400Hz
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大体“スネアドラム系音色の核”が居そうな部分だと思います。
また、ベースがハイフレット(高音)を弾いたときは目立ちます。
400~500Hz , 500~600Hz
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色々な楽器が入り乱れてくるので、整理が必要なケースが多そうです。
たとえば、ピアノ系音色の倍音が溜まりやすい印象があります。
600~700Hz , 700~800Hz , 800~900Hz , 900~1000Hz
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ここも色々な楽器が入り乱れてくるので、整理が必要なケースが多そうです。
個人的には、ギターやベースの好きな成分がここらへんにいます。
1kHz~2kHz
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ヴォーカルが一番聴き取りやすい帯域だと思います。
ヴォーカルやメインのソロ楽器に譲ってあげると良い結果になりそうです。
2kHz~3kHz
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ヴォーカルの高音、スネアドラムの抜け感、ギターの刻み成分などを感じる帯域だと思います。
ここもヴォーカルやメインのソロ楽器に譲ってあげると、よい結果になりそうです。
人間の耳の感度が一番高い(同じ音量だと一番よく聞き取れる)帯域です。
3kHz~4kHz , 4kHz~5kHz
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このあたりも人間の耳の感度が一番高い(同じ音量だと一番よく聞き取れる)帯域です。
逆に言えば、出しすぎると耳に痛い感じになりやすい気がします。
バスドラムのビターが当たるアタック成分(「ビチッ!」みたいな音)がいる帯域でもあります。
5kHz~6kHz , 6kHz~7kHz
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このあたりから“音程”を感じなくなっていきます。
一方、シェイカーやシンバルの音が聴こえやすくなってきます。
7kHz~8kHz , 8kHz~9kHz , 9kHz~10kHz
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キラキラ感を感じます。
ハイファイにしたければ強調し、ローファイにしたければ控えめに…みたいなイメージかなと。
10kHz~
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「スァァァァ」みたいな音の空気感を左右する帯域です。
ハイハットや、アコギの弦の擦れ、ヴォーカルの歯擦音、クリスタル系のシンセパッド音色など…
これ以上の帯域の成分を多く含む音はわりと限られています。
したがって、ミックスやイコライジングではなく、音色選びの段階でコントロールした方が良い帯域だと思います。
さいごに
ミックスをするときは各帯域の役割を意識しながらすると、よい結果になりやすいかと思います。
こちらの記事も併せて読むと参考になると思います。↓
では!(๑˃̵ᴗ˂̵)و