ChatGPTを作曲に活用する【プロンプトを紹介/GPTsあり】

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作曲していて「便利だ」と思ったChatGPTへのプロンプト(命令)使い方のアイディアをシェアします。

忘備録を兼ねているので、より良いプロンプトや使い方を発見したら更新する予定です。

はじめに

  • GPT-4を使ってる部分もありますが、GPT-3.5でも近い結果が出力される気はします。
  • この記事でいう”作曲“は単に”メロディを作る行為“ではなく、音源制作全般を指します。

では、いってみよう!(๑˃̵ᴗ˂̵)و

作曲に使えるプロンプト・アイディア

サンプルの検索ワードを教えてもらう

便利なサンプル音源のサブスクリプションサービスのLoopcloudSplice.

でも、「あんな音が欲しい…でも、何て検索したら良いんや…?」みたいな状況もあります。

そんな時、ChatGPTに「検索ワード」を教えてもらえます。

まず、下準備。

# 命令:
以下では、私が欲しいサンプルのイメージを伝えるので、SpliceやLoopcloudで検索するときに適切な「検索ワード」をいくつか教えてください。(このメッセージへの返答は「はい。」のみにせよ。)

あとは自分がイメージしている音を伝えます。

# 命令:
ゲームでよくある打撃音の効果音

すると…

//GPT-3.5の出力結果
打撃音の効果音を探す際には、以下のような検索ワードが役立ちます。

Punch sound effects
Hit sound effects
Impact sound effects
Fighting sound effects
Melee sound effects
Combat sound effects
などがあります。

検索してみたら「あ~コレコレ!」って音がヒットしたので、ChatGPTくん有能案件でした。

(もちろん、全くヒットしないワードを言ってくる場合もあります。)


追記:GPTs作りました

ChatGPT - Splice・Loopcloudサンプル検索アシスタント
日本語から「英語の適切な音源サンプル検索ワード」を提供するGPTです。SpliceやLoopcloudでサンプルを探すときに役立ちます。

曲タイトルの案を考えてもらう

曲のタイトルを考えるの面倒くさいときありますよね。

1つ2つ候補が浮かんでも「他にもっと良いアイディアがもあるかも…」と思ったり。

そんな時にアイディアを貰えます。

# 命令:
・楽曲のタイトルを10個出力せよ。
・「〇〇(曲タイトル案)」と同じ雰囲気の言葉にせよ。
・出力形式は【英語表記】【カタカナ表記】【意味】という形で出力せよ。

単に「曲のタイトルを考えて」ではなく、大まかなイメージも併せて伝えると良い結果になりやすい気がします。

試しに上記のプロンプトの「〇〇(曲タイトル案)」部分に、「Stream of Consciousness」と入れて出力してみた結果がこちら。

//GPT-4の出力結果
"Ephemeral Thoughts"【エフェメラル・ソウツ】- 儚い思考
"Mindful Waves"【マインドフル・ウェイブス】- 意識の波
"Inner Monologue"【インナー・モノローグ】- 内なる独白
"Subconscious Echoes"【サブコンシャス・エコーズ】- 無意識の反響
"Cognitive Whispers"【コグニティブ・ウィスパーズ】- 認知のささやき
"Mental Landscapes"【メンタル・ランドスケープス】- 心の風景
"Introspective Journey"【イントロスペクティブ・ジャーニー】- 内省の旅
"Thoughtful Reverie"【ソウトフル・レヴェリー】- 思慮深い夢想
"Contemplative Odyssey"【コンテンプレーティブ・オデッセイ】- 熟考の冒険譚
"Evolving Perception"【エヴォルヴィング・パーセプション】- 成長する認識

わりといい感じじゃないでしょうか。


追記:GPTs作りました

ChatGPT - 英語曲タイトルジェネレーター
英語とカタカナで曲のタイトルを生成します。同じムードを維持します。

歌詞を考えてもらう

歌詞を考えてもらいます。

まずは、大まかな設定を教えるプロンプト↓を投げます。

# あなたの設定
・職業:プロの作詞家

# 命令:
・「条件」をもとに、「テーマ」に合致する歌詞を回答せよ。
・回答は「回答形式」を遵守せよ。
・「テーマ」はこのメッセージより後のメッセージで提示する。
・新たに歌詞を回答する際は、それ以前の「テーマ」の内容は引き継がない。
・何か作詞に必要な情報があれば質問せよ。
・質問が無ければ、このメッセージへの返答は「はい」とだけ回答せよ。
・「禁止用語」及びその活用形は歌詞に含めてはいけません。

# 条件:
・”語感の良さ”を重視せよ。
・同じ表現を別の場所で使わない。
・同じ単語を別の場所で使わない。(同じ単語は詞の中で一度しか使わない。)
・適切だと思う部分に擬音語を使いなさい。

# 禁止用語:
・煌めく

# 回答形式:
【Aメロ】
【Bメロ】
【サビ】

タイトル案と同じく、丸投げではなく「職業」、「命令」、「条件」、「禁止用語」などを指定します。(上記のプロンプトは一例です。)

そして、テーマを投げます。

# テーマ:旅行
//GPT-4の出力結果
【Aメロ】
荷物をまとめて 新しい道へ
冒険心鳴り響く旅立ち
未知への期待 息を呑む
地図にない場所へ歩き出す

【Bメロ】
遠い空の果て 雲を追いかけ
鳥たちの歌声聞きながら
出逢いと別れ 刻む足跡
心に宿る貴重な宝石

【サビ】
風に舞う髪 揺れる気持ち
広がる世界へ一歩踏み出す
限りなく広がる青い空
夢の先へと続く道
手に入れた 自由の翼
笑顔に満ちた場所へと
サラサラと流れる川音
心に刻む旅の詩

試しにもうひとつ。

# テーマ:富嶽三十六景
//GPT-4の出力結果
【Aメロ】
遠くにそびえる 雄大なる富嶽
風光明媚な三十六景
筆を進める 色とりどりの彩
心に刻む 絵画のような景色

【Bメロ】
木の葉が舞う 静かなる湖畔
鳥たちのさえずり 響く森の奥
足跡を残す 海辺の砂浜
美しき風景 胸に焼き付ける

【サビ】
夕陽に染まる 空のグラデーション
絶景の数々 見つめる瞳
歩む道のり その先にある
富嶽三十六景の調べ
絵筆が奏でる 色彩の世界
時を越えて 届く想い
シャララララ 木漏れ日が揺れる
心に刻む 時代の旅路

そのまま採用できなくても、サクッと大量にアイディアを貰えるのはうれしいです。

条件に「口語の関西弁を使いなさい。」とか入れてみても面白いです。笑

また、AIは人間と違ってアイディアを棄却しても誰も傷つかないので、遠慮なくリテイクを出せるのものメリットかなと思います。


追記:GPTs作りました

ChatGPT
A conversational AI system that listens, learns, and challenges

コード進行を考えてもらう

これは正直、便利かどうか微妙なラインではあるんですけど…

…というのも、作曲では”独創性のあるコード進行“を考えるよりも、”耳なじみのあるコード進行をどう料理するか“を考えた方が良い結果になりやすい気がするからです。

また、まず表現したいテーマがあって、それに合うコード進行を選ぶ方が自然なのかなとも思います。

ただ、外部からインスピレーションを貰って曲を作ることはありますし、その選択肢の一つとしてAIを使うのはアリだと思います。

以下のようなプロンプトを投げてみると…

# 命令:
コード進行を5つ出力せよ。

# 条件:
・キーはCメジャー及びその平行調を想定せよ。
・同主調からの借用和音を使ってもよい。
・分数コードを使ってよい。

# ジャンルのイメージ
・J-Pop

# 回答形式の例
・C - G/B - Am - Em/G - F - C/E - Dm - G
//GPT-3.5の回答
・C - G/B - Am - F - G
・Am - F - C - G - Am - F - G
・F - G - C - Am - F - G - C
・G - Em - C - Am - G/B - Am - F
・Dm - Am - G - F - C
//GPT-4の回答
C - G/B - Am - Em/G - F - C/E - Dm - G
Am - F - C - G - Dm - F/A - E7/G# - Am
C - Em - F - G - Am - Fmaj7 - Gsus4 - G
Am - C/G - F - G - Em - Am - Dm - E7
Cmaj7 - Dm7 - Em7 - Fmaj7 - G7 - C/E - Dm7 - G7

それなりに使えそうなコード進行が出てきました。

…とはいえ、(少なくとも今のところは)コード進行に関しては…僕の作ったアプリ↓の方が便利な気がしますね。

コード進行まとめ(100種類以上) O-TO【音楽理論ウェブアプリ】
100種類以上のコード進行をまとめたアプリです。表示は全てのキーへ切り替え可能なので、実質1000以上のコード進行を確認できます。

逆にあんまり使えなかったところ

さて。逆に現時点では微妙だった使い方も紹介しておきます。

メロディを考えてもらうのはやめよう

現時点では、ChatGPTは「メロディを考えてもらう」にのは向いて無いと思います。

まず、GPT-3.5に命令すると…

# 命令
メロディを考えて
//ChatGPTの出力結果
もちろんです。どのような曲をお望みですか?ジャンルやテンポ、気分など、教えていただければお手伝いできます。

余裕でいける雰囲気を出しつつも…

# 命令
ロック
//GPT-3.5の出力結果
では、ロックの曲を考えてみましょう。以下に1つのメロディーを提案させていただきます。

(4分の4拍子で)

Verse:
G|----------------------|
D|----------------------|
A|-----------5-5-5-5----|
E|-3-3-3-3-3-------------|

Chorus:
G|----------------------|
D|-----------5-5-5-5----|
A|-3-3-3-3-3-------------|
E|----------------------|

このメロディーを基に、歌詞やアレンジを加えて、オリジナルのロック曲を作ってみてはいかがでしょうか?

メロディではなく…ベースラインのTAB譜面っぽいのを出力してきました。笑

あと、これ4分の4拍子と考えるのには無理がある符割りな気がします。笑

そして、GPT-4に命令すると…

# 命令
メロディを考えて
//GPT-4の出力結果
メロディを考えることは、私のAI能力を超えています。しかし、歌詞に関してアドバイスや提案をすることができます。音楽制作のアイデアやインスピレーションを得るために、何かお手伝いできることがあれば教えてください。

無理だ」と言われます。

(無理だと言われない場合もありましたが、その場合もよい回答ではありませんでした。)

メロディ制作で煮詰まっている方は、こちらの記事↓を参考にすると良いと思います。

また、以前”作曲AI”について考えてみた記事もあるので、良ければぜひ。

移調を頼むと間違える

移調を頼めると便利かと思ったのですが…ダメでした。

# 命令:
以下のコード進行はキーAマイナーです。半音下のキーへ移調してください。

F - Am - Cm - G/D - B♭m/D♭ - F/C - Bdim7 - E7/G# - Am

すると…

//GPT-3.5の回答
移調後のコード進行は、キーA♭マイナーです。

E♭ - G♭m - B♭♭m - F♭/C♭ - A♭m/C♭ - E♭/B♭ - Adim7 - D♭7/F - G♭m

間違っていますね…。

それに、読みやすさ的にA♭マイナー(♭×7)ではなくG#マイナー(#×5)で書いてほしいところ。

一応頼んでみると…

# 命令:
G#マイナーキーで書いてください。
移調後のコード進行は以下の通りです。

C#m - E - G#m - D# / A# - Fm / C# - C#dim7 - G#7 / F - E

さらに間違ってきました。

GPT-4に頼むと…

以下のコード進行はキーG#マイナーで半音下に移調されています。

E♭ - G#m - Bm - F#/C# - A#m/C - E♭/B - A#dim7 - D#7/F# - G#m

こちらは最初からG#マイナーで書いてくれましたけど、間違っています。正解は…

//移調前
F - Am - Cm - G/D - B♭m/D♭ - F/C - Bdim7 - E7/G# - Am

//半音下のキーへ移調後
E - G#m - Bm - F#/C# - Am/C - E/B - A#dim7 - D#7/Fのダブルシャープ - G#m

ちなみに、僕の作ったウェブアプリ↓では、ほぼ正確にテキストの移調ができるので、現状はこっちの方が便利ですね。

コード進行のテキストを移調する O-TO【音楽理論ウェブアプリ】
コード進行のテキストを移調するアプリです。入力したコード進行のテキストを「12キー全て(3種類の異名同音キー含む)」と「ディグリー・ネーム」へ変換できます。

コードの構成音を教えてもらうのも信用できない

「コードの構成音をサクッと教えてくれたら勉強したい人には便利かなー」と思ったんですけど…こちらもダメでした。

# 命令:
以下のコード進行のコードそれぞれの構成音をイタリア音名(カタカナのみ)で教えてください。
・C - C/E - Csus4/F - Csus4/G
//GPT-3.5の回答
・C(ド、ミ、ソ) //これは正解
・C/E(ド、ミ♭、ソ) //誤り:正しくは(ミ、ド、ソ) 
・Csus4/F(ファ、B♭、C、F) //誤り:正しくは(ファ、ド、ソ) 
・Csus4/G(ソ、C、D、G) //誤り:正しくは(ソ、ド、ファ) 

命令を守れてない上に結果が間違っています。(GPT-4でも同じような感じでした。)

たまに正解を出す場合はあっても、まだ信頼して使えるわけではありませんね。

 

ちなみに、コードの構成音を調べたい場合はこちら↓を活用してみてください。

コード(100種類以上)の構成音を調べる O-TO【音楽理論ウェブアプリ】
100種類以上のコードの構成音や情報を、全てのルート音で調べられるアプリです。同時に、指定したコードの構成音を含む主なスケールと、ネガティヴ・ハーモニー理論に基づく代理コードも表示されます。
コード/スケール名を逆引き検索 O-TO【音楽理論ウェブアプリ】
選んだ構成音に対応するコード・ネームやスケール名を検索できるアプリです。コードの特徴など、詳細情報も確認できます。

(なんだか宣伝ばっかりになって申し訳ないですけど、現時点では多分こちら↑の方が便利なので…)

さいごに

たしかに、今のところ内容によってChatGPTには向き不向きがあります。

しかし、対話しつつ使っていく中でさらに良い使い方に気づく部分もあります。

作業を効率化し、新たな使い方を発見し、インスピレーションを得る…、音楽制作に携わる人間もChatGPTなどAIを活用する意義は大きいと考えます。

この記事が参考になれば幸いです!では!(๑˃̵ᴗ˂̵)و

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