“売れている曲”は、”良い曲”なのか?

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今回は、「売れている曲=良い曲 」だと考えた方が良い理由を書きます。

はじめに

この記事のトピックは、若干センシティブだと思います。
したがって、意見や考え方の違う方もいらっしゃると思います。

そういった方々の人格などを否定する意図はありません。

結論・概要

・「”良い曲”と”売れている曲”は違う」 はおかしい。
・「良い曲=売れている曲」だと考えた方が都合が良い。
知名度のレベルは対数で捉えると分かりやすい。

今回の話は音楽だけではなく、創作全般に応用できる考え方だと思います。

「”良い曲”と”売れている曲”は違う」 はおかしい。

論としての弱さ

しばしば耳にする「”良い曲”と”売れている曲”は違う」という論。

「自分が好きな曲に知名度や人気がない」ときや、「自分が好きではない曲がもてはやされている」ときの反論として使われていると感じます。

 

では、この反論の通りに「曲の良し悪し」「曲の売り上げや知名度」を切り離したとします。

すると、「曲の良し悪し」を判断する材料「個人の好み(主観)」だけになり、 「良い曲=自分の好きな曲」 となります。

一方で、誰かが知名度のある曲を好きな理由 個人の好み(主観)」 です。

つまり、意見の強度は同程度なので…論として弱く、説得力は感じられません。

 

したがって、この場合は

「自分の好きな曲と、売れている曲は違う場合もある。」

と表現するか、せめて

「良い曲=自分の好きな曲」 と定義した上で、「”良い曲”と”売れている曲”は違う」

とする方が論理的には適切だと思います。

 

…もちろん、それでも「良い曲=売れている曲」と考えるのに抵抗がある方が居るのも想像できます。

しかし、 この考え方は少なくとも創作活動をする時には欠かせない考え方だと思います。

「良い曲=売れている曲」だと考えた方が都合が良い。

「良い曲=売れている曲」だと考えた方が都合が良い…。

正確には「売れている曲 = 良い曲」 = 「世間の好み = 客観視点」 と捉えれば良いと思っています。

この考え方をするメリットは主に2つあります。

①学びに繋げられる。

まず、学びに繋げられます。

僕は、一聴して好みではなく「理解できない」と思った音楽があっても…

売り上げや知名度がある曲なら一旦「これは良い音楽だ 」と決めつけて「これを好きな人は、どういう部分に魅力を感じるのか」を考えたり、調べたりするようにしています。

もちろん、これは音楽以外の芸術などにも当てはまると思います。

 

なぜなら、芸術は予備知識があってこそ楽しめる部分が多いと考えているからです。

したがって、学びの幅を広げるためには自分の好みや感性への疑いも必要だと思います。

 

そんな時に、「良い曲=売れている曲」という“思考アタッチメント”が役に立ちます。

②判断基準を増やせる。

そして、「世間の好み(客観)」という新たな評価の軸を獲得できます。

「良い曲=自分の好きな曲」とした場合は、評価の軸は1つです。

しかし、「良い曲=売れている曲」と考えると評価の軸「自分の好み(主観)「世間の好み(客観)」2つになるわけです。

創作活動をする場合には、複数の評価軸を持つのは大切だと考えます。

知名度のレベルは対数で捉えると分かりやすい。

「…じゃあ、たとえば1万回再生の曲に比べて、100万回再生されている曲は100倍も良い曲なの?そうは思わないけどな…」と感じる方もいると思います。

この意見に対する僕の答えは、

「知名度は指数関数的に上昇するので、“常用対数(10を底とする対数)“で考えた方がいい」です。

 

「対数???なにそれ?」と思う方もいると思うので、図や表を使って説明します。

知名度をレベル0~9で分類する。

まず、知名度レベル0~9までの10段階で分類します。

そして、この分類を「認知レベル」と呼称します。

すると、以下のようになります。

認知レベル認知されている数  
Lv.0(10未満)09
Lv.1(10以上100未満)1099
Lv.2(100以上1000未満)100999
Lv.3(1000以上1万未満)10009999
Lv.4(1万以上10万未満)1000099999
Lv.5(10万以上100万未満)100000999999
Lv.6(100万以上1000万未満)10000009999999
Lv.7(1000万以上1億未満)1000000099999999
Lv.8(1億以上10億未満)100000000999999999
Lv.9(10億以上)1000000000 

計算式は

認知レベル = log10(認知されている数) 

です。

 

この分類の方法で先ほどの例を考えると、

1万回再生の曲は log10(10000)=4 なので、「レベル4」
100万回再生の曲は log10(1000000)=6 なので「レベル6」と表せます。

つまり、「1万回再生100万回再生の曲は100倍良い」と考えるのではなく、認知レベルが”2“違うので、「2段階上の良さがある」と考えます。

この捉え方だと、なんとなく「まぁ、そんなもんか…」と思えたりしませんか?


※今は仮に再生数としていますが”対数で比較する手法“は、チャンネル登録者数、フォロワー数など、色々な認知を数値で表すものに応用できると考えています。

※「地震の規模」を示すマグニチュードや、「音圧レベル」を表すデシベルなども対数を使った表現です。

レベルアップの壁の高さは大体同じ

下のグラフは縦軸に認知人数 、横軸に認知レベルを配置したグラフです。

認知人数の数値を見ると、レベルが1上がるごとの差は圧倒的です。
(このグラフではレベル6以下はほぼ見えない)

一方、このグラフ↑は、上記の棒グラフを片対数グラフに直したものです。

このように、知名度の差は対数で捉えた方が実際の体感に近いと思います。

(これは僕の主観を多く含んだ見解です。しかし、今まで創作活動をしていて概ね実態に即していると思います。)

以下では、具体的にそれぞれのレベルの概要をまとめてみました。

認知レベル0(10未満)

まず、「創作活動の経験が無い人」=レベル0ではありません

レベル0へ上がるには、「創作活動の経験が無い状態からコンテンツを作って公開する壁」を超える必要があると考えます。

これが意外と分厚い壁なのです。

なぜなら、”作品を完成させる難しさ“や、”他人に作品を見せる恥ずかしさ“など乗り越えるべきものがたくさんあるからです。

おそらく、多くの人はこの壁を超えられません。

認知レベル1(10以上100未満)

次は「10人以上に認知してもらう」がレベル1に上がるために超えるべき壁です。

普段周りで数万~数十万単位で評価されているものばかり目に入るので、一見簡単そうです。

しかし、これも多くの人にとって想像を超えるほど分厚い壁です。

認知レベル2(100以上1000未満)

レベル2に上がるためには「100人以上に認知してもらう」が必要です。

冷静に考えて、一般的な学校の学年全員~全校生徒ぐらいの人数に応援してもらうのってめちゃくちゃ難しいと思いませんか。

認知レベル3(1000以上1万未満)

レベル3は「1000人以上に認知してもらう」 になります。

バチカン市国の人口が1000人程度らしいですから、「国家レベルのファンが居る」と言えなくもないです。笑

たとえば、2019年末現在のクフルダモノーツのYouTubeチャンネル登録者数は約5000人なので、Youtube界隈ではレベル3の知名度があると言えます。笑

認知レベル4(1万以上10万未満)

10000人の大台を突破しました。ちょっとした都市の人口レベルです。

東京ドーム (55000人) が埋まりそうなくらいの人数に認知されはじめているわけです。

しかし、一般的に「人気の無い」とか「知る人ぞ知る」と言われる人や作品の知名度がここらへんです。笑

僕のYouTube個人チャンネルの登録者は大体1万人くらいなので認知レベルは4くらいです。でも、この記事を読んでいる人で僕のチャンネルを登録している人がどれだけいるのでしょう。笑

自分でやる“のと”見る“のとでは、感じ方は大きく違ってきますね。

認知レベル5(10万以上100万未満)

少なくとも、そのジャンルの中では有名だと言えるでしょう。

この辺りから、そのジャンルやコミュニティの外からもそこそこ認知されてくる気がします。

認知レベル6(100万以上1000万未満)

この壁を超えると、世間一般的にも堂々と「有名だ」と言えるでしょう。

認知レベル7(1000万以上1億未満)

だいたいの国の人口よりも多くなってきます。

有名な人・組織・作品の中でも飛び出た存在です。

少なくとも、そのジャンルの中では歴史に名を残す知名度でしょう。

認知レベル8(1億以上10億未満)

限られた作品や人物しか到達できない領域だと思います。

世間的には、むしろ知らないと恥ずかしいとされる知名度です。

認知レベル9(10億以上)

確実にジャンルを超えて歴史に残る知名度でしょう。

Luis Fonsi – Despacito ft. Daddy Yankee

現在YouTubeで一番再生数が多いミュージックビデオであるDespacito。再生数65億回。

好き嫌いは置いておいて、学べる情報は多いと思います。

さいごに

今回の内容は、人や立場によってポジティブにもネガティブにも捉えられると思います。

あくまで思考の補助線として活用してみてください。

 

僕は「主義・主張・考え方は、選択肢に過ぎず、アタッチメントとして時と場合によって使い分けていく必要がある。」、「そして、それらに飲み込まれてはいけない。」と思っています。

最初に「”良い曲”と”売れている曲”は違う」 はおかしいと言いました。
しかし、(良いか悪いかは置いておいて)ときに詭弁が大きな求心力を持つ場合もあります。

そういう芸風で支持を集める人もいます。

論理的な正しさよりも、直観的な判断が美しく魅力的に見える場合もあります。

したがって、どんな考え方も、「そういう考え方がある」というひとつの選択肢として捉えるべきで、特定の考え方に100%自分の思考や行動の支配権を与えるのはいかがなものか と思います。

 

もちろん、この考え方も「ひとつの考え方」ですけどね。

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