作曲のコツ【手の内を晒します。】

ブログ

こんにちは!クフルダモノーツのk1muです。

自分が10年以上曲を作ってきて思う”作曲のコツ“についてまとめました。

手の内を晒しまくっていますが、それは同時に個人の偏見に塗れているということなので

その点はご了承ください。

  1. メンタル面
    1. 「良い曲を作ろう」と意気込み過ぎない 。
    2. 自分の中で「自分の曲の価値」を上げすぎないようにする。
    3. 「曲の完成度」よりも「曲の完成」が重要
    4. 「曲を作る練習や勉強をする」という発想をする。
    5. 巨人の肩に乗っていることを自覚する
      1. 謙虚でいるために
      2. 病まないため・長く続けるために
    6. 健康になろうとする
  2. 環境面
    1. 5秒以内に作曲が始められる環境を整える
    2. テンプレートやショートカットを使う
  3. 作曲面
    1. バランスを意識する。
    2. BPMの分類
    3. キーの決め方
    4. ジャンルを分ける要素を意識する
    5. 曲構成のバリエーションを考える
        1. UVERworld – ナノ・セカンド
    6. 1セクション(1テーマ・モチーフ)は「王道」から考える。
    7. モチーフを作るときに意識すること
      1. 美しい音楽は、メロディの反復と旋律のパターンから。
      2. ・装飾音(オーナメント)を意識する
    8. リズムの作り方
    9. モチーフ展開のアイデア
      1. ・ “リズム“か”音の並び“は、どちらかを固定すれば、もう一方は変えても大丈夫。
      2. ・後ろで鳴っているコードを変える。
        1. KHUFRUDAMO NOTES – Aerial Warfare
      3. ・メロディを反復する際に、1回し目の最後を2回し目のアタマまで拡張し、途中から2回し目のメロディに入っていく。(モダンメタルでよく使われる)
        1. Polyphia – O.D.
    10. ハモリの考え方
    11. バッキングのアイデア・コードの切り替わりのタイミング
  4. さいごに

メンタル面

「あれ?作曲のコツじゃないの?」と思うかもしれませんが、

曲を作る作らない以前に、創作活動は自分との戦いです。

瞬間的な熱意も大事ですが、粘り強く作り続けるための精神力環境づくりが大切だと思います。

ということで、まずメンタル面について考えていることを書きます。

「良い曲を作ろう」と意気込み過ぎない 。

作曲を始めてしばらく「良い曲」を作ろうと意気込んで全然曲が作れない時期がありました。

しかし、「別に完璧なものを作らなくてもいいか」と思い始めてから、曲が比較的早く作れるようになりました。

冷静に振り返ると、作れない時期にも技術の向上はあったと思いますし、その他の理由もあったと思いますが、こういう考えを持つことも大切だと思います。

自分の中で「自分の曲の価値」を上げすぎないようにする。

人間には「イケア効果」という認知バイアスがあります。

イケア効果(IKEA effect)とは、自分が作ったものや関与したプロジェクトに対して、その価値を過大評価する心理効果のこと。人は手間をかけることで思いや愛着が強まり、自分のみならず他人にとっても高い価値を持つものと錯覚する効果がある。

シマウマ用語集

どんな拙い曲だとしても、自分が一生懸命作った曲は大切な曲に感じますし、良い曲に思えます。

しかし、そんな曲に対して他人は酷評したり、無関心だったりする場合もあります。

とても悲しいですが「イケア効果」を自覚することで、多少なりともその心理的ダメージを軽減できます。

…まぁ、悲しいものは悲しいですけど。笑

「曲の完成度」よりも「曲の完成」が重要

作曲において「良い曲を作ること」よりも、「曲を完成させること」が大切だと考えましょう。

僕の体感では、創作活動をして作品を完成して公開するまで到達できる人はわずかしかいません

作品を完成させること自体が、かなり大きなハードルであり、特別なことだと意識しましょう。

「曲を作る練習や勉強をする」という発想をする。

たとえば、楽器が弾けるようになるには、勉強や練習が必要ですよね。

楽器を始めた日に いきなり 「プロ並みに楽器が弾けるかも!」と思う人は居ないと思います。

一方、作曲の場合は最初から良い曲が作れるんじゃないか」と思ってしまいがちます。

しかし、それは99%以上の確率で無理だと思った方がいいです。

作曲にも練習や勉強が必要です。


…「いや、最初から良い曲を作った人もいる」とか、「音楽理論など分からなくても良い曲を作れる人もいる」と思う人もいるかもしれません。

メロディを作る」=「作曲」なら、あり得る話だと思いますが、「編曲やミックスまで含めた音源の完成」=「作曲」とする場合、にわかには信じがたい話です。

それに、そんな人が練習や勉強をしたら、もっとすごくなれると思います。

また、「勉強すると、オリジナリティが無くなる」という考えもあるようですが、勉強して無くなるオリジナリティ」など、その程度のものです。気にせずに勉強しましょう。


ちなみに、なぜ演奏作曲でこのような意識の差が生まれるのでしょうか。

「演奏の良し悪し」や「音楽の良し悪し」の認識は、個人の習熟度・理解度・解釈・文化・文脈などによって大きく左右されます。

そして、「演奏の上手・下手」に比べて「曲の良い・悪い」はさらに判断基準が曖昧です。

つまり、自分が「良い曲」だと思ったら、少なくとも自分にとっては「良い曲」になるため、判断が難しいのです。

この記事にも書きましたが

創作活動をする場合は「創作物の良し悪しの判断基準を複数持つ」ことが必要になると思います。

巨人の肩に乗っていることを自覚する

Googleの論文検索サービスの「グーグルスカラー」のスローガンにも使われる

巨人の肩に乗る矮人という言葉があります。

これは、「先人の積み重ねた発見に基づいて何かを発見すること」を指します。

謙虚でいるために

音楽も同様に、過去の先人の実践の積み重ねの上に成り立っていると思います。

自分のオリジナリティは、過去の膨大な歴史の上澄みにすぎない」と思うと、謙虚でいられる気がします。

病まないため・長く続けるために

そもそも、外部からのインプットに頼らず、自分の内面から湧き出るものだけで作品を作ろうとすることは危険だと思います。

自分を材料に作品を作ることになるので、まるで補給を絶たれたアンパンマンのようです。

歴史上の芸術家の人生を見ると分かりますが、芸術家は病みがちです。

そういう危険を回避するためにも、この考え方は必要だと思います。

健康になろうとする

十分な睡眠・バランスのとれた食事・適度な運動を心がけます。

一番の作曲のコツは、ある意味「心身ともに健康的で長く続ける」だと思います。

ときに生死をさまようギリギリの状態から生まれた作品が、もてはやされる場合もあるでしょうが、わざわざ自分が進んで実践する必要は無いと思います。

環境面

人間は怠惰です。

楽なものに流されまくります。

いわば「理想」という水源から、下流はおろか海まで流される勢いで怠惰です。笑

では、どう対策すればいいのか。

ひとつの答えは「環境を整える」だと思います。

5秒以内に作曲が始められる環境を整える

人間はやろうと思ってから5秒以内に実行に移さないと、それを実行するハードルがとても上がるらしいです。

(参考:自分をだますのを止める方法 | メル・ロビンス | )

したがって、「作曲をしよう!」と思っても、5秒以内に行動を始められなければ「やっぱ今日はやめとこ」となる可能性が高くなるわけです。

僕は、作業部屋の椅子から動かずに、作曲を含むほぼ全ての作業を実行できるようにし、手を伸ばせば、すぐに楽器弾くことも本を読むことができるように工夫しました。

怠けることをゼロにできたわけではないと思いますが、効果はあったと思います。

できるだけ実行のハードルを下げていきましょう。

テンプレートやショートカットを使う

現在の作曲作業の大半は、コンピューターや機材の操作です。

では、そのコンピューターや機材の操作は「クリエイティブな行為」でしょうか。

ほぼ違うはずです。

今、自分がやっている作業の中で、簡略化・システム化できるところは徹底的にやりましょう。

とりあえず、テンプレート機能ショートカットは必ず使いましょう。


僕はDAW(作曲ソフト)に限らず、ソフトの使い方を勉強するとき

最初に本気でショートカットキーを覚えることが大切だと思います。

たとえ、ほんの5~6秒の短縮でも1万回やれば1時間の差がありますし、細かいタスクの積み重ねでクリエイティブな体力・集中力が失われていきます。

また、僕のDAWテンプレートは、 「空間系のプラグインのルーティングとかソフトシンセのパラアウトの設定」など、大体普通にやると30時間分くらいのエンジニア的作業を既にやった状態にしてあります。

つまり、最初から 30時間分の作業が終わった段階でDAWが立ち上がります。

その全てを毎回使うわけではありませんが、1曲作るごとに数時間の短縮につながっています。

作曲面

ここからいよいよ作曲自体の内容に入っていきます!

バランスを意識する。

作曲は「単純と複雑」のバランス感覚が重要だと思います。

「メロディを複数にした場合は、伴奏をシンプルにする」など、どこかを複雑にした場合は、他のどこかを複雑にしない方が “キャッチー” になりやすいです。

反対にこれを抑えない場合、”キャッチー“から遠ざかりやすいです。

もちろん、絶対そうなるではありませんし、”キャッチー“が必ずしも良いわけでもありません。

このような観点を持つことが大切だということです。

BPMの分類

自分の中で、BPMの違いによって生まれる音楽的な効果を意識しておくと迷いにくいです。

僕の場合はこんな感じで、おおまかに20刻みで考えています。↓


~110:全音符から32分音符まで使える。

130前後:16ビートでノリノリ。踊れる曲に使う。

150前後:テクいことをしやすい。倍テンでアゲアゲ。ハーフタイムだとバラード。

170前後:シンコペーションで分かりやすいアップテンポ感を出せる。

190~:スクエアだと速過ぎて逆に遅い。シャッフル系で使うのがオススメ。

キーの決め方

キーは

①曲に使用する楽器の特性

②ヴォーカル(またはメインメロディーを担当する楽器)の最高音をどう使うか

この2つのバランスを考えて決めます。

この記事↓に詳しく書いてあります。

ジャンルを分ける要素を意識する

「ジャンルにとらわれない音楽をやっている」はよく聞く言葉ですが、創作する立場ではそういうアーティストの芸風やセールストークに惑わされてはいけません。

「ジャンル」は、音楽の抽象化のひとつ(ラベル付け)にすぎません。

作曲する際には、それぞれの「音楽の要素」と「ジャンル分け」がどう結びついているか把握してそれを意図的にコントロールする必要があると思います。

たとえば…


・歌詞

・リズム

・コード進行

・音色やサウンド

・使っている楽器編成

・歴史的な背景

などの音楽の要素が、どのようにジャンル感と結びついているかを自分なりに考えることで、自分の意図する音楽表現ができるようになってくると思います。

曲構成のバリエーションを考える

曲構成は、曲を作るときにかなり大切になってくるもので、

正直、僕が「作曲一番悩む部分」はここです。

オーソドックスなものの一つとして

イントロ、1Aメロ、2Bメロ、1サビ、

2Aメロ、2Bメロ、2サビ、

間奏、落ちサビ、ラスサビ、アウトロ

などが挙げられますが、

よく聴いてみると、これをそのまま使っている曲はさほど多くなく、

曲ごとに微妙に違っていたり、色々なパターンがあります。

たとえば…

UVERworld – ナノ・セカンド
UVERworld 『ナノ・セカンド』

この曲は普通に聴いていると、ただ勢いに任せたアツい曲にも聴こえます。

しかし、冷静に分析してみると、

わずか5分弱に9個(!)の展開やモチーフを複雑に織り交ぜた

相当緻密に計算された曲展開になっています。


以下、僕の解釈で書き出してみました。

展開数展開リハーサルマーク
1イントロ1(サックスソロ)A1
2イントロ1-2(ワブルベース)B1
3Cメロ(everything…)C1
4サビ(それが幻想のままで…)D1
5コール(just do it…)E1
6イントロ2F1
7大サビ(to be or not to be…)G1
8Aメロ(千マイルの距離で…)H1
9Bメロ(確かなことは…)I1
10コール(just do it…)E2
11サビ(その幻想のままで…)D2
12Aメロ(一度も…)H2
13Bメロ (もうここには…) I2
14Bメロ (容易く叶う夢は…) I3
15コール(just do it…)E3
16サビ(なら幻のままで…)D3
17大サビ(to be or not to be…)G2
18Cメロ(サックスソロ)C2
19Cメロ(everything…)C3
20Bメロ(考えてみろよ…)I4
21Bメロ(人の数より少し…)I5
22コール(just do it…)E4
23サビ (その幻想のままで…) D4
24サビ (なら幻のままで…) D5
25大サビ(to be or not to be…)G3
26イントロ2F2
27イントロ1(サックスソロ)A2
28イントロ1-2(ワブルベース)B2

このように、どんなセクションを、どのような構成で連結していくか。

ある意味一番力量が試される部分かもしれません。

1セクション(1テーマ・モチーフ)は「王道」から考える。

これは、少し伝わりづらいことかもしれませんが、1つのセクションを作成するときには、以下のような「王道」があると考えており、この「王道」を基本として変化を加えていくことでバランスをとります。


深度1.反復回数:    2まわし(合計16小節)
深度2.大楽節:     8小節(動機×4) 
深度3.小楽節:     4小節(動機×2)
深度4.動機:      2小節(小動機×2)
深度5.小動機:     1小節 (≒拍子のまとまり): 4拍(≒4拍子)
深度6.1拍(≒4分音符): 16分音符 (1拍の4分割)


この6つの深度のいずれかに変化を加えたとしても、他の深度の構成が「王道」通りだと整合性のあるフレーズになりやすいと感じます。

モチーフを作るときに意識すること

モチーフを作るときに、僕が意識していることを箇条書きにしてみました。

美しい音楽は、メロディの反復と旋律のパターンから。

・細かいモチーフをリフレインさせる。

・2の束 (1拍)か、3の束 (1拍半)でリフレインさせるとキャッチーになりがち。

参考:逆にメロディの反復と旋律のパターンを排除した音楽 ↓

The world's ugliest music | Scott Rickard | TEDxMIA

・歌メロの場合は音域を広げ過ぎない狭い音域でも転調を使うなど対策法はある。

・ペンタトニックは王道

・ブルーノートは必殺技

・コードトーンに対してどのような音程になっているか意識する。

・同じ音を連続させる部分(同音連打)を入れる。

・盛り上げる前のタメを作る発想を持つ。

休符を入れる。入れないと微妙になることが多いし、息継ぎがしにくい。

・これらに飽きたらモード対位法的なアプローチをしてみる。

・装飾音(オーナメント)を意識する

刺繍音:同じ音の連続の間に2度の音を挟む。

倚音:コードトーンへ行く前に置くノンコードトーン。

経過音:2音間を繋ぐ音。半音でつないだり、ポルタメントしたり。

先取音:アンティシペーション(小節をまたぐシンコペーション的なやつ)

逸音:順次進行の間に置く、逆に順次進行する音(レ→「ド」→ミ)

掛留音:コードが変わっても持続的に鳴っている音。

リズムの作り方

曲に対して意図した効果を付加できるリズムを、選んで組み合わせる」 ことを考えます。

詳しくはこちらの記事↓に書きました。

モチーフ展開のアイデア

作ったモチーフを、変化させて曲中で繰り返し使うことも有効な手段です。

そのアイデアとしては…

・ “リズム“か”音の並び“は、どちらかを固定すれば、もう一方は変えても大丈夫。

・リズムを変える場合は、シンコペーションや伸ばす長さを変えるなどが手軽。

・音程を一部変える場合は、メロディの最後などは変えやすい。

・後ろで鳴っているコードを変える。

KHUFRUDAMO NOTES – Aerial Warfare
KHUFRUDAMO NOTES – Aerial Warfare【Progressive Metal × Original Guitar】

拙作。0:29あたりからのモチーフと、3:18あたりからのモチーフはメロディーが同じですが、コードが違います

・メロディを反復する際に、1回し目の最後を2回し目のアタマまで拡張し、途中から2回し目のメロディに入っていく。(モダンメタルでよく使われる)

Polyphia – O.D.
Polyphia | O.D. (Official Music Video)

最初のモチーフなど。0:14あたりで2回し目に入ります。

ハモリの考え方

基本的にコードの構成音度数のイメージから考えます。


3度・6度ハモリ … 一番王道で、ポップスでまず試してみるのはこの度数。

4度・5度ハモリ … 無機質な感じや、エスニックな感じになる。調性感が薄れる。

2度・7度ハモリ … 音がぶつかっている感じが出る。攻撃力や緊張感が高い。

バッキングのアイデア・コードの切り替わりのタイミング

コードを切り替えタイミングだけでも、さまざまなアイデアが考えられますし、それによって大きく曲の雰囲気は変わってきます。

以下では、そのアイデアを箇条書きで紹介します。


・小節ごとに変える。

・小節の半分のところで変えていく。

・1拍ごとに変えていく。

・4回目だけ小節の半分のところで変える。

・2,4回目だけ小節の半分のところで変える。

・1,3回目だけ小節の半分のところで変える。

↑これらのタイミングにシンコペーションなど絡める

・4回目だけメロディや対旋律っぽくする。

・トリッキーな場所で変える。

・ペダルポイントを使う。

・リフを弾く(コード進行ではなくリフだと解釈する。)

・対位法的に考える。

・「そもそも、コード進行などない」

さいごに

いかがでしょうか。

まとめていて改めて思ったのですが、作曲とは「文脈に沿った音律情報の配置」だと思います。

と言っても、今回の記事はかなり主観にまみれた意見なので、人やジャンルによっては当てはまらない部分や、使えない部分もあるかと思います。

使えそうなところは使ってみてください。

では!

タイトルとURLをコピーしました