ダイアトニックコードは、そのキーで使える主要な和音です。
でも、ダイアトニックコード以外にもスケールの音から作れる和音はあります。
今回は、それらを一緒にまとめてみました!
では、いってみよう!(๑˃̵ᴗ˂̵)و
はじめに
便利ツールの紹介
ダイアトニックコードを視覚的に切り替えられるツールを作りました。
![](https://o-to.khufrudamonotes.com/image/thumbnail/diatonic-chords_thumbnail.png)
各スケールの構成音と、その構成音を持つコード一覧を表示してくれるツールも作りました。
![](https://o-to.khufrudamonotes.com/image/thumbnail/scale_thumbnail.png)
どちらのツールも、全てのキーに表示を切り替えて使用できます。
注意事項
- 今回まとめたもの以外にも、スケールの構成音から作れる和音はたくさんあります。
- 僕はダイアトニックコードを、基本的に平行長調のディグリーで考えています。たとえば、CメジャーキーでもAmキーでもAmコードはⅥmと考えています。
- 以下のまとめは全て「Cを主音と考えた場合」のものです。
主要ヘプタトニック・スケール6種類
一番よく使うヘプタトニック・スケール(7音階)と言えば
- メジャースケール
- ハーモニックメジャー
- メロディックメジャー
- マイナースケール
- ハーモニックマイナー
- メロディックマイナー
の6種類だと思います。
まずは、この6種類の環境で作れる和音を見ていきます。
メジャー/マイナースケール
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2021/04/C-Major-scale-family-1024x532.png)
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Major.png)
前述のとおり、僕は長調とその平行短調をまとめて捉えています。
その考えだと、この表からCメジャーキーとAmキーで使える和音が分かります。
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Major-コード-1024x545.png)
このようにまとめると、メジャースケールの構成音だけでも、意外と多彩な和音が作れると感じます。
ハーモニック・マイナースケール
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/08/A-Harmonic-minor-scale-family-1024x520.png)
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Ionian-♯5th_Major-Augmented.png)
「平行調のCメジャー」を基準に考えると、A ハーモニックマイナーは↑こうなります。
※本来、C始まりのこのスケールは「C アイオニアン・#5th」などと呼ばれます。
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Ionian-♯5th_Major-Augmented-コード-1024x547.png)
「短調の主音(この表でいうⅥm)に対するドミナント・セブンコードを作りたい欲求から生まれた」と言われるハーモニック・マイナー。
この表で見ると、「Ⅲ7」の和音がその和音にあたります。
特にポップスでは、「Ⅵm」に向かう場合以外にも「Ⅲ7」はよく使われる印象です。
また、サブドミナント・マイナーと言われる「Ⅳm6」なども、この環境から召喚した和音だと考えると扱いやすい気がします。
メロディック・マイナースケール
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/08/A-Melodic-minor-scale-family-1024x532.png)
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/A-Melodic-minor.png)
こちらも「平行調のCメジャー」を基準に考たA メロディック・マイナーです。
※本来、C始まりのこのスケールは「C リディアン・オーギュメンテッドスケール」などと呼ばれます。
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Lydian-augmented-コード-1024x546.png)
「Ⅱ7」は「Ⅱ7→Ⅴ7→Ⅰ」みたいな進行でよく見られ、ダブル・ドミナントと解釈される場合が多いですよね。
しかし、これを見ると「平行メロディック・マイナー環境からの引用」とも捉えられると分かります。
それから、僕が好きで曲の中によく入れる「#Ⅳm7(♭5)」もこの環境に含まれています。
ハーモニック・メジャースケール
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/08/C-Harmonic-major-scale-family-1-1024x528.png)
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Harmonic-major.png)
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Harmonic-major-コード-1024x548.png)
主要スケールの中では、影が薄めのスケールです。
しかし、これを見るとみんな大好きオシャレ必殺技の 「Ⅲ7(#9)→Ⅲ7(♭9)」は、ハーモニック・メジャーとして解釈できる響きだと分かります。
メロディックメジャースケール
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/08/C-Melodic-major-scale-family-1024x553.png)
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Melodic-major.png)
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Melodic-major-コード-1024x547.png)
意外とよく使われる「Ⅰ7」や「♭Ⅶ7」。
そして、巷で有名な「イキスギ・コード」こと♭Ⅶブラックアダーコードはメロディック・メジャー環境で構築できる和音だと分かります。
ちなみに、メロディックメジャーとメロディックマイナーは始まる場所が違うだけです。
したがって子モードは同じになります。
John Petrucciが自身の曲に登場するメロディックメジャーのサウンドについて触れている動画↓
レラティブモード
レラティブな関係のモード(同主調)もまとめました。
モーダルインターチェンジの発想ならば基本的に同じ環境下で使えます。(たぶん)
ドリアンモード
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Dorian.png)
メジャースケール第2モードです。
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Dorian-コード-1024x547.png)
メジャースケールの子モードの中では、一番使いやすい気がします。
この表には無いですが、「Ⅱm/Ⅰ」とかはドリアンっぽい響きです。
フリジアンモード
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Phrygian.png)
メジャースケール第3モードです。
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Phrygian-コード-1024x546.png)
エスニックな響きのフリジアンモード。
コード的には「7sus4」、「sus4(♭9)」あたりがフリジアン風味を色濃く出せます。
リディアンモード
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Lydian.png)
メジャースケール第4モードです。
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Lydian-コード-1024x547.png)
美しい響きのリディアンモード。
この表には無いですが、「Ⅰ△7(#11)」とかはリディアンっぽい響きです。
ミクソリディアン・モード
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Mixolydian.png)
メジャースケール第5モードです。
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Mixolydian-コード-1024x546.png)
爽やかな印象のミクソリディアンモード。
気を抜くと「メジャースケールのⅤ7ぽいサウンド」に聴こえるので、あくまでミクソリディアン・モード的な音使いになるように注意を払うことが必要です。
エオリアン・モード
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Natural-minor_Aeolian.png)
メジャースケール第6モードです。マイナースケールと同じものです。
ここでは、同主短調として扱っています。
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Natural-minor_Aeolian-コード-1024x547.png)
「♭Ⅲ」の響きが欲しい時に。
サブドミナントマイナーは、こちらの環境から召喚した和音だと捉えられるケースが多い気がします。
ロクリアン・モード
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/C-Locrian.png)
メジャースケール第7モードです。
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/06/B-Locrian-コード-1024x547.png)
あまり使われないモードですが、スパイスとして使ってみると面白いかもしれません。
なかなか扱いが難しいですが、「♭5th」の音が最大の特徴です。
表にはありませんが、「m7(♭5)add11」の響きなどはロクリアンぽい気がします。
まとめ
今回の内容を、逆引き形式で全部一つにまとめたものがこちら。
後半紹介したモードについてまとめた記事もあります。
ちなみに、個人的には主に
- メジャースケール
- ハーモニックメジャー
- メロディックメジャー
- マイナースケール
- ハーモニックマイナー
- メロディックマイナー
の6種類に同主調(パラレルな関係)のハーモニックマイナーとメロディックマイナーを加えた8つの環境をおおまかに”1つの環境“として捉えています。
大体こんな感じ(マインドマップ左下のエリア)
![](https://khufrudamonotes.com/wp-content/uploads/2020/11/音楽理論マインドマップ-967x1024.png)